第49章 真の力
できることを並べてみた。
・全身から張り巡らせることで全体の把握。
だが一度散り散りになればリンクが途切れ、情報供給が途絶えてしまうのが難点。
必要とされる力が密度が低いことで少ないものの、ちょっとした衝撃で途絶えやすい。
・分子レベルで細胞一つ一つ丁寧に無駄なく送り込んだ上の、全身の性能の強化。
・力の複数同時発動。
・途切れることの無い連射。
大体つかめてきた。
だが、ケイトのように爆発的な何かがあるわけではない。
ケイト「・・」メラメラ←背後に炎
左掌を天へ向けて広げ、顔全面が黒く、そこはかとない笑みと右目が白く表現されていた。
その絵は左横顔。
テロップ『何この絵!!?;』
あのように、何者も寄せ付けないほどの荒々しさが無い。
必殺技…そう呼べるようなものが、まだ僕には掴めてはいない。
ちなみに、思い出しているイメージ像は…終末神を相手に戦っている時のものだ。
フィン「う~ん…どうしたものかなあ;」嘆息&腕組
胡坐をかいて嘆息を零す中、無数の槍が襲い掛かり、適確に全て防いだ。
攻撃が来た瞬間に、当たる箇所のみに集中させて防ぐ。
これはケイトから教わったものだ。
フィン「!(はっ!)
そうか!これなら…」
そして僕は試すことにした…
分子破壊を。
分子同士の結合を強制的に解かせる。
浸透しやすいそれを逆手に取り、逆に力に対して奥深くへ潜り込ませる。
と共に、一気に外へと貫通させる。その直後、力ごと散り散りに分散させてその事象をないものとする。
集めるのは得意だが、より集束させるのが苦手だった。
その為、それを逆利用させてもらった。
浸透させるということは、より奥深くまで入り込めるということ。
それと同時に、一気に爆散させれば…力も物体も耐えられず、崩壊する。
事象も、必ず外へ向いて起こっている。
内からのそれには、働こうにも、対応しようにもできない。
物体にも異物感を齎していないようで、自然と爆散できた。
ケイトが外からの強制的な事象改変、すなわち書き換え。
超高密度にものを言わせた『剛』、グラン・バースト。
ならば…僕は、何だ?
内からの爆散による事象消失。
『柔』になる他ない。