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Unlimited【ダンまち】

第48章 死





それらの家庭環境に加え
学校でもそうなのだと、いじめを受けた時点から察した…

何を考えていたのだと、何で違うと思った?

そう…目が覚める思いだったらしい。


ケイト「それが…普通なんた…
だから…おかしいんだ…おかしいのは、こっちの方なんだ」

ポロポロと涙を零しながら、同じことをするよう必死に懇願された。

悪夢を見てフラッシュバックした感情の嵐、そのままに僕の両肩を両手で掴んで涙ながらに頼み込まれた。


ケイト「やってくれなきゃ、おかしくなりそうなんだ!

頼むから…お願いだからっ!」
フィン「断る!」

ケイト「嫌だ…嫌だっ!
ごめん!ごめん!!生きててごめん!」
フィン「謝ることじゃないだろう!」

ケイト「何も、言えない、言わない、何で、どうして、忘れて?
殴られて当然なのだから、身構えれば何も言えなくなる!
それが骨の髄まで叩き込まれているのだから仕方がないだろう!?
皆そうは思わなかった!!!

そうは…思われたことなんてない!
わからない!!想われることも、大切にされることも!

わからない…私には、わからない…!!」

涙を流し、叫ぶ
震え泣き…叫び…慟哭のように泣き叫びながら震えるその只事ならぬ様子に……

僕とアイズは、必死に声を掛けた…


フィン「大丈夫。家族だから護るよ。

ここには君を傷付けようとする人は一人としていない。安心していい」

肩に手を置いて紡がれた言葉に、心から安心したのだと後に教えてくれた。


アイズ「ケイト…私達は何度でもケイトを護るから、助けに行くから。

だから、私達が危なくなった時はケイトが助けて。

それが仲間(ファミリア)…だよ」

ケイト「…うん…ありがとう」


ここは違うのだと…もう、大丈夫なのだと…やっと察してくれた。

しかし、その後…



ケイト「うわああああああああ!!!!

あああああああああああああ!!!!!」

ようやく…ようやく…安心して、産声をあげたように見えた。

滂沱の涙を流し、慟哭のように咽び泣き…僕へ縋り付いたまま、眠りについた。


己という意見を抱き、育ての家族の時のように恐る恐るなどではなく、ようやく…

我を抱くことが出来るようになる為の、始まりだった……



それまでケイトは…生物学的に見れば生きていても、死んでいたままだったのかもしれない。


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