第48章 死
フィン「大丈夫だ…大丈夫だから」
そう、背をさすり続けた。
操り人形のように人に言われるまま、されるまま…
自らの意思など誰も求めていない、居ていいはずもない、
いたら堪えられない、生きるということにすら耐えられない。
結果として…誰も巻き込まないようにし続ける内…
自らもまた、自分を殺すのが当たり前となってしまった。
もっと殺さなきゃ、もっと痛め付けなきゃ…皆は満足しない、幸せだとも思えない。
そんな狂った思考にも見えるそれを見てもなお、相手は笑って続ける。
もっともっと狂え、苦しめと笑う。
悪魔の如く好きに口にし、その言葉通りに振り回されるそれを見て笑う。
笑ってもっとしろとばかりに、苦しめとばかりに騒ぐ、
周囲は喜び笑い、狂った笑みとなっていることにも気付かない。
自ら話しかければ嫌がるその態度を見て、ケイトはやめた。
それでもなお話せよと嘲笑う、家庭環境など知らぬのをいいことに無責任に言い放つ。
苦しんでいることを知りながら笑って言う。
自らがやっていて苦しみを感じない行為を、ケイトもできて当然だと謗る。
笑って笑って、自分だけは友とつるみ、遊び、笑い、日常を謳歌する。
ケイトにだけはさせまいとする。孤立させ、何度も何度も続ける。
家での軟禁、意見を無とすること、言葉を発してはいけない。
欲求を持ってもいけない、意見を出してもいけない。
殴られるために存在する、蹴られるために存在する、
己など必要ない、己が抱く意見も感情も心も、必要ない。
己という全てが……必要ない。
奴隷のように、人形のように…ただ、そこにあるだけ
それ以外の日常など、私は知らない。
そう呟きながら泣き崩れるばかりで、激情に振り回されているのが目に見えていた。
テロップ『38ページ参照、悪夢を見て飛び起きた後の詳細』