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Unlimited【ダンまち】

第48章 死





始祖神の闇を越すほどに、ケイトの抱く闇は深かった。

人との溝もまた、同時に…


それでも…見過ごせない質なので助ける始末。

「その人には家族も友達もいる。その人が苦しめばその人達も苦しむから」と、たとえ苦しめてきた人でも苦しめまい、助けようとする馬鹿。
その想いが一方通行だと知っていてもなお、それでも…どうしてもやめられない底抜けのお人好し。

抱き続ける憎しみが、殺意を通り越すほどの闇を経てもなお、自ら他を傷付ける行為を取れない…人畜無害で、自ら人を害する行為を取れない。
人の為にしか、どうしても譲れない場合でない限りそういう行動を取れない、動けない。

他人の不幸を、争いを嫌う、温厚で慈愛に満ちた優しい人。
誰にも助けられず、頼れず、それでもなお力になれるのならと無償で動く。
挙句の果てに「自分がやりたくてやってることだから^^寧ろ付き合わせて嫌な思いをさせたのならごめん(合掌」とまで言う始末。

そんな本質を持ったケイトを、よくも悪人だとぬけぬけと言えるものだ…と、悪い意味で感嘆する。



いじめ対策に知らない顔をやめようという取り組みが見られるが、それでは意味がない。

一人一人が知らない顔をやめたとしても、集団があるからダメになる。
力押しされ、少数派は悪という扱いをされる。

どうせ誰かが問題指摘をした所でその他大勢に白い目で見られるだけ。
逆にいじめのターゲットにされ、誰にも助けられない。

そんな環境に居続けることで誰も問題指摘しなくなる。
正しい考えを持つことは悪になり、問題は正当化される。
客観的に見たら誰でも悪だと分かることだが、いじめっ子は聡く「自分達がいじめられっ子へしている行為」だけは伝えずに悪だと語る。

集団で、それも悪い事をしている人が集まるとその行為を肯定する人しかいなくなって、批判を聞き入れない、逆ギレするようになる。差別然り、リンチ然り。


力や権力の強い大人、その大人の子供や親戚。または大人数。
上記の順に確実に勝てない。敵わない。

「言うことを聞かなければいけない」、「自分一人が可笑しいの?」という想いに駆られされる。

そういうことをさせないようにしなければ、いじめが無にはならない。



その為、「意見をぶつける際には一人で&当人同士で。周囲は客観視した意見を」とコクーンでは定められている。


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