第48章 死
ブランシェはどうなっていた?
モンスターに食われ、一体となっていたそれは…どうなっていた?
モンスターが灰になれば、ブランシェもまた灰になろうとしていた。
だからこそ精霊寵愛を使ってでも一体になった。どうせ消えるのならば力になりたいと!
何故、もっと早くに気付かなかった!?
ケイトが灰になるのは目に見えていた。
なのに何故…神の力を送り込んだだけで大丈夫だと思った!?
そう考える中もなお灰になっていく。
腕が半分ほど消え、灰になった時…
神の力でケイトの周囲ごと時間を止めさせれた。
だが…戻し方がわからなかった。
モンスターとの関連性は切れていない?どうすればいい?
悩みながらもケイトを抱き抱え
精霊王の森へ赴き、精霊王もしくは精霊神に会わせようとした。
その矢先、精霊王が十字架から見ていたのか自ら赴き…即座に遡らせた…
精霊王「数秒遡らせた程度だから後遺症もそんなには無いだろう。
だが、何時間も遡らせればどんな後遺症が出るかわからない」
フィン「恐らく、ケイトがふら付いて弱っていたのもそれが原因だ。
無意識の内に、灰にならないよう、死なないよう神の力で理に干渉していたんだろう」
ティオナ「じゃあ、フィンが神の力を使ってやれば。
フィン「そんな繊細な使い方はまだ身につけていない!!
ケイトのように、常にクリエイトを使っていたわけじゃない。
経験が圧倒的に足りていない」ギリッ!
歯噛みする中、通信機にラウルから連絡が来た。
ラウル『38人が誘拐されていたって話なんすけど。
1人目は既に怪物も人も灰みたいになって死んでました』
『!!』
ラウル『で、2人目なんすけどそれがティオナさんが壁に減り込ませてた奴で。
襲い掛かってきたから腕を斬るなりして何とかして倒して押さえ付けて。
まず怪物から人間を切り抜いて、それから怪物の魔石を抜いて灰になった瞬間…
取り込まれていた人間も、灰になったんす』
フィン「ということは…」
『なので3人目は絶対殺さないようしてるっす!ケイトさんは?
そっちの状況はどうなってるっすか?』
フィン「こっちの状況は…最悪だ!」
気を緩ませればすぐにでも灰化が進行しそうなケイトを前に、僕は叫んだ。
認めたくない現実は…
更に形を成そうと、迫っているようにさえ感じさせられた。