第48章 死
ケイト「ただでさえ、やっている側の当人にとって悪くないとなれば、されてる側が嫌だと主張してもしなくてもそれを続ける輩が目に余るほどに多いんだ。
そもそも理不尽というものは、悪いことをやってるやってない側に拘らず降りかかる。
天災…地震、津波、浸水、火災、崩落……
自然なものから、人為的なものまで…それこそ無数に。
人同士でさえ、喚き立てていれば何でも必ず通るとばかりに叫び続ける品の低い輩が多い。
そいつらはろくに考えを巡らせもしていないのさ。
人と人が理解し合うのに、理解されるのに…何も話さずにわかって当然と、自分主観でしか話を進めようとしない。
理解してない他者の正義に、どうやって合わせろと?
知らないもんの主義、こだわり、やって欲しいこと、やって欲しくないこと。
それらが最初からわかるんなら、会話も言葉も必要ないに決まってるだろ。
わかって当然、常識。それはお前という価値観の中の話だろ。
家での方針やら環境やら何やら…ただでさえ、性格も何もかもが違うんだ。
全部が全部違って当たり前なのが人だ。
そうやって自分に合わさない=悪人だと喚くそれはどういう見解なんだ?
自分がされて嫌なこと、それも伝えられないままわかって当然と扱われて、悪人やら性格が悪いやら…
そういう風に話もされず、何も言わず、周囲に批評不評をばら撒いて近付かないように唆しておいて…
そうされる側の気持ちがわかるか?
それを決め付けてるって言うんだよ。
霊感で見えてるって言うんなら話は別だが…
それだから…そういう末路(地獄落ち)を辿るんだろ。
自分という人間を理解していない、他人という人間を理解していない。
言われなきゃ何を不快に感じたかなんてのはわからないのは当然だろう。
相手の感覚なんて、自分と違うことの方が多い。
何に重きを置くのかも違うのに、それを人に求めてあいつは悪人だと喚くのは違うだろ。
自分にさえ合えば善人か?自分にさえ合わなければ悪人か?
違う。それは見る人によって、簡単に変わる」