第48章 死
縋り付いたまま涙を流す医師、その子との対話に…
ケイトもまた、涙を流していた。
ケイト「ぐすっ」ひっく
その背を、子が医師にやっているのと同様に撫でる中…
なおも対話は続いていく。
ちゃんとお別れをする為に…前を向いて、生きていく為に……
子「うん…
だから、ね?
…ちゃんと…お別れ、しよう?」
「…ああっ」震涙
子「父ちゃん…バイバイ」
右手の人差し指で眼鏡をかけた白衣の男性の手を握り締めた後
自身の左手で胸を抉り、魔石が出ると共に…灰となって辺り一帯へと飛び散った。
天へ…天へ…どこまでも高い空へと、小さな男の子が笑いかけながら消えていく姿が…誰の目にもはっきりと映った。
「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
わああああああああ!!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!
ああああああああああああああああああああああああっっ!!」
残された魔石など目にくれず、モンスターの爪を両腕に抱いて跪いて咽び泣く男性。
両腕で抱き上げたままのケイトが、僕の胸に擦り寄った。
同じように泣き震え、鼻をすする音が微かに耳に響いた。
そのタイミングで、第2軍が戻ってきた。
ラウル「団長!状況は!!?」
フィン「ああ…(ちらっ)←男性を見やる
今…終わった所さ」
ラウル「捕縛を
フィン「大丈夫だ」
アキ「え?」
フィン「…たとえしなくとも…彼はもう、逃げないだろう。
現実からも、過去からも。
もう…逃げ場所も無くなったのだから」
テロップ『バックに「Kurokumo-Rapunzel」という曲をお流し下さい(推奨)』