第48章 死
「お前がいない世界など、お前たちがいない世界など、死んだ方がマシだ!!!!」
慟哭の如く響き渡り、反響する大声…
それに、子供は親の背を撫でながら諭すように言い放った。
子「駄目だよ…
母ちゃんに迷惑かけたらダメだって教えてくれたでしょ?
それと同じで、人に迷惑かけるのも駄目だよ。
上から見守っていたけれど…父ちゃんの方法だと、召喚のもととなる人と、モンスター、その両方の人生を台無しにさせちゃう。
それは…それだけは、やっちゃいけないことなんだよ。
母ちゃんが言ってた。ひじんどーだって」
「俺は…俺はお前に、何もできなかった!!!!」俯
子「………十分だよ」顔を近付ける
「?」顔を上げる
子「俺ね…ずっと、父ちゃんのことを見てたんだよ?
母ちゃんと一緒に。
幽界って所でね?
人生の今までのことを見せられて聞かされるんだ。
その後で…魂っていうのと、俺っていう人格を持った霊体に分けられるんだ。
霊体は自由に行動してよくってね?
魂のように生まれ変わることはできないけれど、上から見守ることができるんだよ?
だから…父ちゃんが、俺達が死んだ後の行動も…ちゃんと、見てたよ。
許されないことだって思う。人も、モンスターも、一生懸命生きてるんだからさ。
それを好きなように変わるようにいじるのは…やっぱり駄目だよ」
「っ…」
子「でも…」
「!」
子「これだけ想われてるのがわかって、不謹慎だけど…嬉しいよ^^
ありがとう」微笑
「っ;;ぅぅぅっ;;」
子「俺ね…ちゃんと、見てるから。
父ちゃんのこと、ずっと見てるから。
だから…死のうとしたり、自棄になったらダメだよ?
それで迷惑するのって、結局は他の人なんだからね?」
「っ…ああっ」
子「母ちゃんと、一緒に見守ってるから。
だから…ちゃんと生きなきゃダメだよ?
自殺したらね、また同じ人生の繰り返しなんだって神様から教わったから!」
「ああ!」
子「俺…待ってるからさ。何年でも待つから。
だから…死のうとしたら駄目だよ?
生きて、生きて…死が自然に来る瞬間まで、生きないと…俺、怒るからね!?」
「ああっ!;」
子「あんまり早く来たらダメだよ?」
「わかったよ…
生きるよ…
お前が、望むのならっ」
縋り付いたまま涙を流す医師、子も…涙を流していた。