第48章 死
ティオナ「さっきから医師が立ちはだかってくるんだけど、これって一般人だよね!?」
フィン「ああ。一般市民だ。気絶させる程度に抑えろ!」
アイズ「これって…足止め?」
リヴェリア「言うまでもなくそうだろうな」
ガレス「モンスターより手加減が必要な分、別の意味でまたやり辛いわい」
ベート「にや)はっ。んなもん蹴散らしゃいいだろ」
ティオネ「あんた馬鹿!?いつもの力でやったら消し飛ぶに決まってるでしょ!!?」
ベート「誰がいつもの力でやれっつった!?」
ティオナ「それよりこれキリないんだけど!!?」
ティオネ「団長!やっぱりあの職員に嵌められたんじゃ」
フィン「いや、嘘をついている感じはしなかった。
いずれにせよ…この先には、見られたくない「何か」がある。
敵の反応から見て、それだけは確実だろうね」
アイズ「やりにくい…」
指差された通路を進んでいく中、何度も研究員らしき白衣の集団が襲い掛かってきた。
リヴェリア「時間稼ぎが見え見えだ」
フィン「それほど切迫しているということだろう。
もし…これは仮定の話だが」
リヴェリア「なんだ?」
こんな時にとでも言わんがばかりに視線を向けられる中、僕は走りながら考えを口走った。
フィン「中の人間をもとに、モンスターを召喚しているのだとしたら?」
『!!』
フィン「そして…召喚に使われた人物が、モンスターの生贄にされるとしたら?
それをもとの人の状態に戻す為に神の力を無意識の内に多用していたのだとしたら、説明がつく。
だが…それよりも問題なのは、ケイトの消耗だ。
神の力を5000年に渡って世界を渡りながら使い、終末神を倒し続けていた。
しかしそれは休憩も挟んでだ。回復も無しに多用すれば…疲弊するのは目に見えている。
先程見えていたふらつき、人を助け続けてからの不具合もそれが関連しているとなれば…」
リヴェリア「今のケイトは無防備ということか!」
アイズ「急がないと…)
【目覚めよ(テンペスト)】――【風(エアリエル)】!」だっ!!
フィン「待て!先行するな!!
分断される可能性もある!隊列の長さを意識しろ!
すぐ駆け寄れる範囲内に留めるんだ!!」
細胞一つ一つに行き渡らせて制御する繊細な扱いはまだできない。
せめてケイトへ僕の神の力を送ることが出来れば!(ギリッ!)