第47章 初めての
それから後、僕達はアルとディを抱いた【ロキ・ファミリア】の皆から迎えられ
素材を売り終えた夕暮れ頃に、豊饒の女主人にて打ち上げをしようとオラリオの店に行った。
そこでは…何やらひと悶着が起こっていたようで……
エルフと【小巨人(デミ・ユミル)】(ミア・グランド)が喧騒していた。
エルフ「せめてもう少し繊細な味付けを;
ミア「やかましい!
これが私の味だ!!
誰であろうが譲る気はないよ!!?」
エルフ「なっ!;
私達エルフはそれを無くせという意味で言ったのではない!
せめてもう少しだけ付け加えてくれればと」
ミア「はっ!
そこを譲っちゃおしまいなんだよ!!」
バチバチと火花を散らし、今にも争いが始まりそうな状態…
まさに一触即発という時に、ケイトが言葉を発した。
ケイト「ならいっそのこと、ドワーフの究極料理、エルフの究極料理、パルゥムの究極料理」
シル「ケイトさん…?;」汗
リュー「?;」
ケイト「って感じに、各種族の髄を尽くした最高の料理を作り出せばいいんだよ。
違っていいし、味覚だって人によって違うんだ。それは変わりようがないし変えられない。
なら全種族の強みを生かし切った料理を作り出すっていうのも悪くないん…(ぎょっ!!)←ミアを見て固まる
じゃ…;」汗
汗がたらたらと背を伝う中、視線を向けた先に居たミアは…
凄まじく燃え上がっており、炎が誰の目にも見えるほどになっていた。
ミア「いいことを聞いたね」にやり&キラーン!←顎に手を当てつつ微笑んでいる
アーニャ「燃えてるニャ…ガンガンニャ;」がくぶる震え
ケイト「?あれ?私、なんか変なこと言った?」
クロエ「思いっきりミア母ちゃんの闘争心煽ってるニャ!;」瞑目&頭抱え
ルノア「こりゃ…またヤバいことになりそう;」
リュー「本人は無意識ですが…;」瞑目
シル「うふふ、でも楽しそう^^♪」
ミア「小人の隠れ家亭も付き合ってもらうよ!!・・」くわっ!!←仁王立ち、腰に両手当て
『ひいいいいいいいいっ!!;』怯
その日、料理革命は起きた。
全種族が納得する味、深み、舌触り、喉ごし…
完璧と呼ばれる料理を皆で研鑽し合い、造り上げるきっかけとなる。
ケイトはいつも騒ぎの中心にいる訳だが…それは無自覚で、いつまでも変わることは無かった…はあっ;(嘆息&腕組)