第47章 初めての
処刑するか?
だとしても反感を抱かせる恐れもある。
かと言って追い出せば他の領地や領民にまで迷惑がかかり、職務放棄と見なされる危険性も否めない。
とんだ難題を押し付けられたね…
そう腕組したまま考え込む中、転居したままで構わないからとの使者からの懇願につき
結界を通り抜けてこれたことから悪意はないと判断し…
フィン「どうしたい?君に任せるよ」
ケイト「…わかった。
また、自分の別荘にしてやるなんて傲慢な輩が入れない場所にする。
その為には決まりを作らないと」
ケイトはその日の内に自ら書き記した書類を僕へ見せ
不備がないかの確認後、使者へ渡して瞬間移動させた。
ヘレイオス街、空中都市コクーンにおいて、領主ケイトの名において3つのことを命じられた。
一つ、人に必要以上の迷惑をかけないこと。
生きていく上では迷惑をかけて当然、しかし度を過ぎた『傲慢な行い』には罰を与える。
不当な『暴行、他を陥れる言動、高圧的な言動、恐喝、本人が嫌がる迷惑行為』は慎むように。
陥れる行為は「自らに非はない」と、他の非へ目を向けさせる為の行為に他ならない。
自らに不備が一つも無い状態になってから言うならよし。完璧な人間など一人としていないと知るべし。
もしいたとしても自らにとってであり、合わせてくれているのだということとそれに対する感謝、及び「誰もが異なり、相性が合うそれもまた人それぞれで異なること」を忘れるべからず。
不当な「耳元で叫ぶ、暴言などの人への暴行、恐喝、高圧的な言動」は、他に不快感しか抱かせないことを心せよ。
正義、価値観、思想は人と違う。
こうあって欲しいと願ったとしても、言われた本人にとってなりたいものと違えば苦痛となる。
相手と寄り添い、話し合い、互いにとって折り合いの付く妥協案を目指すこと。
思い通りに動かないからと言って暴行で強要することは禁ずる。
檻に入れ、反省したとしても1年の内に3度繰り返せば、未来永劫領地に立ち入ることを許さない『追放処分』とする。
二つ、人の助けとなること。
人の助けとなることを心掛けよ。それは転じて自身の為になる。
自身もまた助けられることになったとしても、『助けられて当然』などとは思わないこと。
『親切な行い』はこの世において最も希少であり、尊く、美しく、『財産』であると気付くべし。