第47章 初めての
水は常に透き通っており、泉の精霊もいることもあってか浄化されてもいる。
食用水としても使えるし、喉が渇いた時に飲んでも毒もないようになっている。
早い話が、非常用に備えてのそれでもあるのだろう。
常に一定の場所に入れたまま何もせずに放置していれば、そこに何が湧くか貯まるかわからないからという理由から趣向を凝らしたのだそうだ。
衛生面も考えてのそれだったようで、思い付きだと思いかけていた自分を内心恥じた…;
ケイト「どうしたのー?」
ちゅぅちゅぅっ
アルへ乳を吸わせながら尋ねて返ってきた言葉がそれで、冷や汗が流れていた。
ディはまだ順番待ちで、キラキラとした目で同じくキラキラした雫が落ちていく様を指しゃぶりしながら凝視している。
フィン「確かにボウフラが湧くと大変だからね…特に、赤ん坊には;」
ケイト「そうそう。
急な流れを常に加えていれば、産めないでしょ!
流れがある水場には蚊はいないし、池など動きのない水であっても魚がいれば大丈夫。
空中都市に蚊なんぞゴキブリなんぞ1匹たりとも繁殖させんぞ!」ギラギラ&にや
フィン(凄い殺気だ…;)
アル「おぎゃあ!;」←怯えている
ケイト「ごめんごめん;よしよしっ!;」ぽんぽんっ←背を撫でる
抗議をあげるかのように泣くアルを宥めてから、今度はディへ吸わせていた。
その間に話してみた所、新たな点が浮上した。
滝は水路の下にあたる地面へ吸われていく水を汲み上げており、高さ3mの岩の上から流れ落ち続ける。(1721ページ参照)
と先述したが、東屋や地下水槽の地面に吸われる水もまた汲み上げているとのこと。
岩へ「指定の場所から水を常に汲み上げ続けさせる」魔術式に加え
汲み上げる際にでも地下水槽にもろ過機能と流れ発生機能を有する魔術式を設置しており、水を効果的に循環させているらしい。
地下水槽内の水でもろ過と共に常に流れが発生し続けるよう、ろ過装置と共に地下水槽へ魔術式を刻んでいるそうだ。
一定の品質を保つ為には必要なもので、埃や水垢などの汚れや流れ込んできた葉や草などの物質は魔力に変換するよう、未来永劫続くよう神の力の一端で魔法をかけているので魔術式の発動が途切れることは無いという。
勿論、水路に葉を落として流して遊んだ際には所有者が立ち去った時になってから魔力に変換される。