第47章 初めての
意見書が山のように在る為、その整理をしていたのだが…
ケイトは未だその書類に目を向けず、向けたくもないと言わんがばかりに身体ごと逸らしていた。
アルとディの目にも触れないように頑張っており、二人は母を独占できていることが嬉しいのか大喜びしていた。
たまににやりとした笑みと視線を向けられ続け、その時は苛立ちを禁じえなかったが
書類の整理だけに集中し、終わってからアルとディがギャン泣きするまで一人占めするようにケイトを抱き締め続けた。
ケイトから怒られたが後悔はしていない。それも一切。
僕が書類整理をしている間…
ケイトはアルとディを抱き抱えながら東屋まで歩いて行き、流れる水路を見て水族館にある流れるプールのようにビニールのボートに乗って流れていった。
東屋の中には水車が2つあり、左側は北、右側は南、どちらも屋内(屋根がある場所)にある。
横幅25cm,全体直径2.5mのもので、東屋の北東の地下にある貯水槽へ北の水車が、南西の地下にある貯水槽へ南の水車が貯めさせている。
貯水槽となる地下水槽は縦1.7m,横1m,高さ2.5m。
水車の位置は固定されており、余剰分となる高さになればより多く汲み出される仕組みなのだそうだ。
それに伴って、水路が水不足の際に汲み出されるもと(地下水槽)となる。
東屋へは橋がかかっており、奥行1.5m,横幅80cmのアーチ橋となっており
東屋の床までそれは続き、東屋の屋根に至るまで橋に屋根が設置されている。(橋の入口から奥行90cmまで)
東屋の内部は床と畳、北と南に水車が屋根より内にあって、床で靴を脱いでまったりと過ごす目的で造られている。
東屋から外へは壁や仕切りが一切なく、外を一望できるよう開放的になっている。
床部分は縦1.2m,横1.325m、畳部分は縦2.65m,横1.325m。
水車の周囲には『地下水槽への樋』があり、常に周囲の魔力をもとに汲み上げた水を屋内に入れないよう魔術式を刻んであるのだが…
濡れた水車から屋内以外へ落ちる雫状の水はあった。
アルとディは、畳で寝て水車を眺めるのがお気に入りのようだ。
キラキラと反射する雫が特に気に入ったようで、リズミカルな水車の音もよく子守歌代わりになっていた。
どのようなことがあっても、そこへ連れていけば安心したように眠りについた。