第47章 初めての
・ヘレイオス街への意見書
「何でも自分至上愛護のヘレイオス街の人はホント嫌い。
あいつら『自分勝手な思想』を他人に押し付けてるって気付いてないから。
愛護もエゴだって知って欲しい」
「今でこそ処刑のお陰で全体の2割にまで減ったけれど、そんな大人達に囲まれて「そういう行動を取ることは可笑しくない、悪くない」と定義づけして育った子供達が、今後どう成長してゆくことになることやら…
また同じことの繰り返しになりそうで怖い」
「ゴキブリみたい。増長して増えることも憚らない」
「周囲の迷惑を一切考えてない」
「また増えるんじゃね?」
「思想を抱くことを悪だとは言わないが、個人の思想を聞き入れず同じになれと押し付けるべきものだとは思わない。
他の思想に耳を傾けて学ぶ姿勢を持つべき。好き勝手に喚く連中にはその姿勢がない。特に歩み寄りと寛容」
「迷惑を考えて行動を慎むことがそんなに悪かね?
どう見ても自らの言動で傷付かないかビクビク怯えているようにも見えるが…
そんなケイトが悪人なら、自ら率先して行動してるお前ら全員悪人に落ちると思うが」
「そもそも声が出なくなるほどの障害を、生まれ持った環境と傷を同時に抱えているわけだし。
その様子を見れば大体は察するだろ。怯える一人を相手に多人数でさらに追い打ちかけて何したいんだ。
説明しろ?
声出せないのにどうやって?
話せば必ず父親に真偽を質問するよな?警察でもそうするだろ。
それで逆上した父親から護ってやれるのか?守れないよな?
守ってやれないのに引っ掻き回すだけ引っ掻き回してそれで終わりだろ。
無責任に言葉吐き掛けるぐらいなら最初からするな。
理解してればやらないなんて言い訳通じないからな。
あまつさえ当時嘘つき呼ばわりしといて今更何事もなかったかのように振る舞ってんな」
「どうにか改善の一手を踏み出せませんか?
居心地が非常に悪いです。思想を抱けば何言ってもいいというわけでもない。
言われたら嫌なことでも、聞こえるようにわざと言っているようにしか見えない」
「自らこそが正義と思う輩が多い、違えば悪と捉えて多人数で囲んで口々に可笑しいと責め立てる。
多人数で組んでいるからか、その行動の残酷さ・犯している罪に気付いてない。
された側は全体からの拒絶、否定を抱かせる。
学問に道徳を付け加えるべき」