第46章 空中都市
食事が運ばれてくる数分前
国賓はケイトの言葉を受けて、去っていった。
「ありがとう。胆に銘じておくよ」と言葉を添えて。
力を恐れられるかと思っていた旨を伝えると、「それをあからさまに自己の利益のみの為には使用したりはしないだろう」と答えてくれた。
国賓「地位を築くほど腹に一物抱えた者が多くなる。だがお主にはそれも野心も無く、優しさが透けて見える。
同盟を申し出たのは、それが理由だ」
フィン「見ているだけで癒されるからね」うんうん
ケイト「え!?//;」おろ
そうして同盟は無事に締結され、それもまた何千年も続いていくことになる。
そんなケイトだからこそ、僕は護りたいと願った。
そのまま真っ直ぐに育って欲しいと思うからこそ…
【ロキ・ファミリア】はヘレイオス街の連中や、ケイトを害した輩に凄まじい怒りを感じていた。
食事が運ばれてきて、各々口にする中…僕は徐に呟いた。
フィン「でもまさか…僕が王族になる機会を得るなんて、思いもしなかったな」
ケイト「気品あるんだから堂々としてなさい」もぐもぐ
フィン「瞠目)……
君にそこまで言われると…逆に自信が無くなってくるよ;」視線逸らし
ケイト「いや、何でだよ!!;」
ティオネ「そうですよ団長!もっと自信を持って下さい!」
フィン「悪いが、僕の出身の村では地位ある者じゃなかったんだ^^;
ただでさえ団長という役目を与えられて、何十年もして。
そんな所にさらに来るとなると…;」
ケイト「んー…フィンはそれほど気負わなくて大丈夫だよ。
皆助けてくれるし、慣れるまで大変だろうけれど…仕事のほとんどを取られちゃったし;」
『あー』←合点がいった
リヴェリア「つまりを言うと、領民に無茶をするなと怒られた口か?」
ケイト「うん。
あれやってこれやってと、毎日することに挙げていったら多過ぎるって怒られてさ;」
フィン「具体的にはどれほどの量を?」
ケイト「んっとねー」
顎に手を当てて考え込む素振りを見せるケイト…
その口から出たのは、想像がつかないほどの凄まじい量の業務だった。
いつものことだが、一人で無理をしようとしないで欲しい。
問題なのは、それを無理とも捉えていない所なんだろうけれど…;