第46章 空中都市
国賓「なるほど…そう考えるか」
ケイト「いっそ、二人きりの時間を各週に作ってみてはいかがですか?
どのように見えるか、どのような国王になりたいのか、相手の意思を聞いて下さい。
何を正解と思うか、どのようになりたいのかは
やはり人の考え方次第によって違いますし、時を経るに従って変わってもきます。
それで様子を見て、それでも変わらないようなら…
どうしたらいいんだろう?;」うーん
顎に手を当てて考え込むケイトに…国王は微笑んだ。
国賓「うむ。
そこまで真剣に考えてくれるとは思いもせなんだ。
なるほど…年の割によく考えている」
ケイト「そりゃ終末神を倒す世界渡りの旅で5000年過ごしましたので^^;」
国賓「ほお!
それはまた随分と長い期間を…
いやはや、無数にある世界のそれを一つ一つ倒すとは…纏めて倒す手法はなかったのですかな?」
ケイト「はい。
あるにはあるのですが、もしそれを実行してしまえば滅んだ後になってしまいますので」
国賓「ふむふむ。
つまり、その無数の世界をどれ一つとして滅ぼさせない為にというわけか」
ケイト「はい。
話が長くなってしまい、すみません」ぺこり
国賓「いやいや、非常に有益だと私は思っているよ。
これからお土産でも買って帰り、二人きりの時間を必ず作るようにしよう。
秘書にも話し予定を調整、領民とも向き合う時間を作らねばならぬな。
ふふっ。忙しくなりそうだ^^」
白い髭を撫でながら、彼は笑った。
苦労が多くなったからか、より老けているように見える国王の年齢は…まだ50代前後なのだそうだ。
土地が貧しく、心が貧しい人も多く
それを改善する為に、また潤わす為に金額の数字や各国と向き合って援助や貿易で利益を貰い、それを民に振る舞うばかりで…
贅沢を禁じたりなどの様々な政策を作っては実行していく為、向き合う、触れ合う時間は0となっており…
民の為、国民の為と忙殺されていくことで
肝心なものと向き合う時間を作れておらず、余裕もなかったのだという。
結果…原因と向き合えたことで、次第に良好へと変わってゆく…
本質としてそういうことをして楽しむ輩もまたいたわけだが
いずれにせよ、協力し合って生きてゆく為にどうあるかありたいかの策を共に考え、議論をぶつけ合う場を作り、皆の国となったのだそうだ。