第46章 空中都市
国賓「君にも…心当たりはあるのだろう?」
ケイト「……はい…
(ノーとは…とても、言えない」俯
国賓「逆に知れば…知られてしまえば!
下手に出ているのをいいことに、利用しようとする輩こそが非常に多いのだ。
だからこそ…君は…この国を作ったのだろう?
それができない人のみが入れるように
安全に、不快な思いなどせずに過ごし続けていられるように…」
ケイト「はい…
ですが…理由は何であれ、不快な思いをさせてしまったことは、どう在っても揺るぎない事実です」
国賓「それはよい。
あやつは自己中心的過ぎた。
自己の利益、判断、見解、概念…様々なものを頑なに、自分にとっていいようにしようと…
周りを気ままに変えて当然なのだと、横暴に振る舞い続けた。
これを機に変わってくれればよいのだが…
周りは好機とばかりに自分だけは味方ですと取り入ろうとする腐った輩ばかりだ」俯
ケイト「…先は…長そうですね」
国賓「うむ…
だが…この国の在り方こそが、真に理想となるものだと…私は思うよ」
ケイト「…ありがとうございます」微笑
国賓「同盟を結んで欲しい」
ケイト「願ってもない申し出です!」ずさっ!!←片膝をついて右手を胸に当て、左手を後ろへ下げる
国賓「君は男ではなく女ではなかったかね?」じと目
ケイト「あ;すみません!;」あせあせ
国賓「いや、一向に構わぬよ。
前々世や前世の記憶があることも知っている。
試すような真似をしてしまったのは、こちらも同じだ。
君のような人材を求めていた。
行く先々で、温かな気を感じた(微笑)
君の外で振り撒かれている悪評は、他人が生み出した事実無根のものだろう」
ケイト「…私が、他人からどう言われているかは知りません。
ですが…どのような評価を受けているかが重要なのではありません。
その人物が何を為したか。
何を為し、どう思い、どう過ごし…今に至っているのか。
それこそが重要なのだと、私は思います」
正面から、真っ直ぐに目を見据えてはっきりと伝えた。
目が嘘を言っていないことを、その意思の頑なさを示していた。