第46章 空中都市
ケイト「再発防止策を巡らせる為に警備隊の中にも記録係という役割もあります。
どのようにすれば再発を防げるか、対策係というものもまた同様に。
そして警備隊の巡回部隊、緊急急行部隊、連絡部隊があります。
各々に役割を与え、それに専念することで互いに補い合う技法を取っています」
国賓「実に素晴らしい防犯システムだ。理に適っている。
学ばせてもらっているよ」
ケイト「いえ。まだまだ若輩者ですので」苦笑
国賓「領民あってこその国王…それを再度、認識させられたよ。
ただ、「領民だから」「自分達がいなければ国は成り立たないから」と、横暴に振る舞う輩もいるわけだからね。
君達のような関係は微笑ましく…眩しく、とても羨ましくすらある」遠い目
ケイト「ありがとうございます。
そう捉えられることは誇らしくもあり、また…励みにもなります」微笑
恭しく頭を下げる中、あげるよう伝えられていた。
国賓「結界あってこそ、ここは護られている。
領民も、私達も…」
ケイト「いえ。結果的にそうなっただけで不快な思いをさせたことには…
一緒に来たかった者と来れなかった人もまたいますし」俯
国賓「謙遜せずともよい。
お陰で…私達は護られている。
客なのだから、一般人なのだから、護られるべき弱者なのだから…
そう理由を付けては横行に走る無礼な輩だった。
そのような領民に影響を受け、わしの息子までもが…(天を仰ぐ)
変わってしまった」
ケイト「…」
国賓「瞑目)…
それに比べ、君は実に品行方正だ。←ケイトの双眸を見つめる
誰にも媚びず、誠心誠意…正直に腹を割って話し…
情報として金を取ることだってできたというのに…しようとすら、考える素振りさえも無かった…
心から信頼してくれているのを、私は感じているよ」微笑
目を細めて笑いかける国賓は…なおも言った。
「息子も…君のような傑物であって欲しかった」と…
ケイト「私は…傑物なんて大それたものでは;」
国賓「君は…人の気持ちと正面から向き合おうとしている。
たとえ言われなければわからずとも、理解する為に正面から相対し、耳を傾け、寄り添おうとしている。
ありのままの意見を、ちゃんとぶつけてくれる。
そんな当たり前のことをできない輩が、この世には多過ぎるのだよ」俯
ケイト「……それは…」