第46章 空中都市
昔までの君ならば…その応酬ですらも傷付けるかもしれないと嫌がっただろう。
それを当たり前にできるようになったこと。
ひいては、僕にしかしないわけだが…それだけ信じてくれているのだということ。
それらのことも踏まえて、それまで以上に嬉しく感じた。
それについても笑みが止まらなくなる中、僕は言葉を発した。
フィン「まあ、国王から直々に謝罪までされたとあっては…
あちらの王子の面目も丸潰れだし、これ以上品位を穢すなと叱られてたし…
予約金もまた、そのまま所か色を付けて返した。
落とし所としては十分だったように思うよ?僕から見てもね(にや)
いずれにせよ…君が動く時は、常に人の為ばかりだ」嘆息
『今に始まったことではない』
ケイト「口揃えて言わないで!;」
フィン「自分の為には…一切動けないよう特殊な環境を経て、魂にまで刻み付けられてしまっている。
それでも今は…ある程度は、ちゃんと動けるようになっている。
自分を無にしてでもという、自己犠牲はなくなった。
それが僕には、とても嬉しいんだ。
わかるだろう?」
ケイト「……(俯)
うん//
私を救ってくれたことも、『偉業』に含めてよね!!//」だきっ!!
双眸を見つめ返していた折、不意にケイトは黙ったまま俯き
赤面した顔、もとい耳まで隠すように胸へと顔を埋めながら、腕を背に回して強く抱き締めてきた。
しかし、それは言わずもがなバレバレで…
フィン「ああ。愛してるよ//」微笑
ケイト「私の方がもっと上!!//愛してる以上!!」
フィン「ぷっ!//
ふふふっ^^//」
ケイト「ふふっ^^//」
フィン「昔から何度やっても飽きないね^^//」くすくす
ケイト「そっちこそ^^//」くすくす
ケイト&フィン『あっはっはっはっはっ!^^///』
そう笑い合う中…
売り出されている魔術式を買う者達の中に、それを私益の為に使用しようとする輩がいたなど…僕達は知る由もなかった。
その者は…降霊とモンスターの召喚陣を手に取り、哂った。
後に、「大きな災い」となる謀(はかりごと)…
それが、確かに…その日の内に産声を上げ、3日後に大きな異変を齎した。