第46章 空中都市
ちなみに、スカイリングとはスカイボードによる空中散歩のことである。
リヴェリア「フィン…」
フィン「?」
リヴェリア「お前の野望も、最早実現しえたとも言えるだろう。
お前達二人は、「神の力」を得て…
既に、どちらも不老不死になった身なのだからな」
フィン&ケイト『!!』
フィン「…知っていたのかい?」
リヴェリア「ああ。ロキに聞いた。
だから…止めはしない。
無事に帰ってこい。生きてな」
ケイト「…わかった」
フィン「…わかったよ。僕も行こう」
ケイト「いいの!?」
フィン「妻を一人で行かせるわけがないだろう?(片目瞑り&嘆息)
…第一…たったあれだけのことで神の力を得られた事に、まだ納得していない」←1543~1545ページ参照
ケイト「!」
フィン「…せめて…胸を張れるだけの『偉業』を成し遂げたい。
君と共に、迷宮を踏破しよう。
そして…君の言う異端児と、共に生きていく道標となればいい。
それができるだけの設備や環境は、空中都市に既にあるだろう?」
ケイト「うん!」微笑&頷
今にして思うよ…
君は…異端児や神獣のような存在が今後も現れ続けることを見越した上で
空中都市という、新たな国家を造り出したのではないのか。と……
精霊王の森に押し付けることだって可能だったのに、それをしなかったのは…
今後産まれてくるそれらもまた、人と共に、堂々と生きていけるようにする為ではないのか?
隠れて生きていくのではなく、自分という個として生きていくこと。
それを与えられたからこそ、与えられないだろう存在に与えたいのだろうということも…
腕の中で抱いたまま、彼女の言うようにスケートの時と同様に結構なスピードで走っていた。←404ページ参照
あの時は手を繋いでいた状態だったけれど、今では…抱き合い、決して離したくないと感じるほどの仲になった。
それらを、強く実感しながら…僕はケイトへ笑いかけた。
あの頃からの変化、変わらぬ根幹の在り方…
在りたいように在っていい、皆違っていい、違って当たり前。
それらの成長を経て、自分の進みたいそれを真っ直ぐに見据えている。
神に至るまで、至ってもなお変わらない根幹に…
それでこそ、僕の惚れた女だと…笑みが止まらなかった。