第45章 魔術式
アイズ「…路傍の石だったんだと思う」
『?』
リヴェリア「どういうことだ?アイズ」
アイズ「…あの人達にとっての、ケイトが」
フィン「ああ、なるほどね」
アイズ「全然、抵抗しないし…されるがままで、仕返しもしてこないから」
ケイト「ナイス例え!b
多分…いや、確実にそう思ってたんだと思うよ。
では気分転換に…何をやれば楽しいかな?」
がくぅっ!!
フィン「…何を…やりたいんだい?^^;」
ケイト「んー…それが…
今こうして隣に居るだけで十分楽しいというか、落ち着くというか…
とっても安心するんだよね。
だからこういう風に怒ってくれたり、真剣に考えてくれたり…それだけで十分過ぎるぐらいなわけで」
『………………』
ティオネ「寧ろ…したいことないの?;」怪訝
ケイト「今こうして寄り添ってもらえていることがしたいこと//」ぽっ←目を伏せてる
フィン「…欲がなさ過ぎる;」
リヴェリア「些細な幸せだな」
ガレス「それさえもないのが普通か;」
アイズ「育ての家族に…救われていたんだね」
ティオナ「というか、そこまで行くと可哀想以外何も出てこないんだけど;」
ケイト「今幸せだからいい//」うっとり
『…………』
精霊王「そういう姿勢が媚びていると感じる者もおるのじゃろうな。
本人にその気は欠片としてないのが実情じゃが…
本人の置かれた環境、それを理解しようともせず本質を決め付けにかかってくるわけじゃし」嘆息
フィン「だからこその扱い、か…呆れたものだね」嘆息
ケイト「今はこうしていたい」ぴとっ
すりすり
左手の甲の上に重ねていた僕の右手を握り締め、
ケイトは自身の方へ引き寄せながら僕の左頬に左頬を当て、
すりすりと擦り寄り続けていた。
そして…殺気のような視線が僕一人へと集中した。
ベッドを囲うように各々立ったり備え付けられた椅子やソファーなどに座ったりしていた為、
圧倒的な圧迫感がすぐ近くにも感じ、冷や汗が額を伝って頬へと落ちていくのをありありと感じさせられた。
それとは対照的なほどに、ケイトは上機嫌で…
満面の笑みを浮かべながら、幸せの絶頂とでも言わんがばかりのそれに…
周囲もまたケイトへ抱き着き、抱き着けない人達はケイトの手を握ったり肩に触れ、与えられなかった温もりを与え続けた。