第45章 魔術式
左手を目に当てるそれに…泣いているのだろうか?と思わせながら
口端だけはつり上がっており、不気味さを一層際立てていた。
「正しいと思う範囲も、人によって違うからね」と一言付け加えようとした矢先、それは始まった。
ケイト「そいつらは揃って地獄落ち…
より地獄へ近付いて、私達とは二度と会えなくなるんだから。
くくくっ。
はっはっはっはっはっ!」
左手を目から離した後…十数秒ほど瞑目したまま、高笑いし続けた。
ひとしきり笑った後…
ケイト「はぁー。
あー、やっとすっきりした。
ああでもしないと、闇に飲み込まれて暴走しそうだった;」
リヴェリア「0か100かしか出来ないのか?;」
ケイト「ああ。できないよ(真剣)
人に当たって傷付けるとわかってて行為に移せる下賤な輩に成り下がるよりはマシだ。
と言っても、これは一個人の感覚でしかないし、一度所か日常的にずっとされていた当事者だからこそ言えたことだがな。
これ見よがしに笑って、普通の日常とやらを見せつけるようにするそれに
当て付けのように感じ入らされたよ。何度も何度も何度も何度も…楽しそうだったなあ?
その上で、そうやってきてたんだもんな…?
一方的に嬲って、痛めつけて、苦しませて…
一番憎んでるのは、こっちの方だよ…
子々孫々、一族が途絶えても、何度生まれ変わってもなお…
その魂が消失するその時まで、決して恨みは消えない。
と言っても…いずれにせよ、生きているだけで苦労することは拭い去れない。
だから、何もしないという選択肢を取ってるだけに過ぎないのだが…」
ロキ「ウレイオス出てきとるでー;」
ケイト「ああ。そうだね…
指摘してくれてありがとう^^;
何とか、収まったよ」苦笑
精霊王「…他のものらにとっては些細なことであっても
された当事者にとっては大きなもの、殊更生みの父からの日常的なDVもあれば止むを得まいて。
どちらも受け入れなどはしない、居場所などない、心休まる時間など一時さえないと…そう思わせるに至ったのじゃからな」
フィン「辛い想いをしてきたんだろうね。それも…想像を絶するほどの」
リヴェリア「ケイトにとっては…それが全てだったのだから、余計だろうな」
ガレス「まあ、言うた所で過去も変わらんし…
今を楽しむこと、生かすことじゃな」