第44章 出産後
フィン「立派な最期だったなど、聞きたくはなかった!」
ケイト「私だって死にたくはなかったよっ!;
それでも誰かが死んで哀しむのを見るのは嫌で、このままだったらその人が増えるのは確実だったからっ;」
フィン「だったら僕や娘を哀しませていいのか!?」
ケイト「違うよ!違うけれど!!;それしか…それしかっ、なくって;」
フィン「君が無事で生きて帰ってさえくれればと何度も言ったのに!!;」
ケイト「ごめん…ごめん…それでも私は!!
父上を戦で失った時のような想いを与えることは!!!!」
フィン「僕の想いは無視か!!?」
ケイト「違うよ!違うんだけど…愛している!!!」
フィン「本当に愛しているのなら死ぬな!!!!這いつくばってでも生にしがみ付け!!!生きろ!!!!」
ケイト「ぐすっ…ひっく;;
うん…」
フィン「是が非でも生きろ!!!」
ケイト「わかったよ…わかったからっ;;」
フィン「失いたくないんだ;;頼むからっ;;」
ケイト「わかったって…言ってるのにいいいいいい;;;
わあああああああああ;;;」
フィン&ケイト『うわああああああああああああああっ;;;;』
再び咽び泣いた。
互いへ抱き着いたまま、絶えない哀しみに…想い故の切望に、涙を流した。
吐き出しては再び沸き上がり、吐き出しても吐き出しても湧いて出てくる尽きぬ想いに振り回されるがままに縋り付いた。
幾度も逢瀬を重ね合う度…愛しくて仕方なくなる。
その想いは…
他ならぬ、恋なわけで……
ベッドの上で、互いに抱き締め合い続ける夕日をバックにした光景、その姿はいつの間にか写真に撮られていた。
僕はケイトの上に覆い被さり、密着したまま
ケイトはされるがままに覆い被さる僕を抱き締め続けた。
愛していると互いに声を紡ぎ、愛を結び、想いに逆らわず身を委ね合った。
ロキ「フィンがあないに激情に身を委ねるなんてなあ」
リヴェリア「想いを吐き出せる場は必要だ。
時として依存にも発展しかねないがな」
ロキ「せっかく要らんカード貰ってきたのになあ。
重ねて読み込んだ後のもんやからって、見舞い品に持ってきてくれたんやけど」
リヴェリア「今は二人きりにしておいてやれ」
ケイト「フィン…空中都市の名前…決めたよ」
フィン「?何だい?」
ケイト「…出会い紡ぐ場――コクーン」