第44章 出産後
フィン「ケイト!!!!ケイト!!!!ケイト!!!!!
ケイトッ!!!!!!!;;」
ぎゅうううっ!!!
腕の中へ閉じ込め、ケイトの左肩へ顎を乗せ、抱き締める力を涙ながらに強めた。
その想いを無視することなど、許してはくれなかった。
前々世の自分も、前世の自分も、どの自分も…それを許してはくれなかった。
愛する想いが…愛しさが、止められなかった。
ケイト「フィン…フィンッ;;」
フィン「ケイト…ケイトッ;;」
互いにぼろぼろと涙を流しては唇を求め
骨が軋んでもなお、互いを抱き締める力を強めることをやめなかった。
ケイト「愛してる…全部…愛してるよ…だから…死なないから」
フィン「ケイト…既に不死の身だ。
それでも死を望めば、神の力はそれに過敏に反応して死んでしまう。
君が本気で望めば、死んでしまうことには違いないんだ。
だから…頼むから…死なないでくれっ」縋り付く
ケイト「死ぬもんか!…絶対…死ぬもんかっ!;;」ぽろぽろ
アミッド「………何の騒ぎです?これは;」←騒ぎに駆けつけた人
アル「う?」瞬き
ディ「あー^^♪」
ずっと、ずっと…出会った日から、君を愛していること。
それを互いに、密着して離れないほどに抱き締め合い、唇を重ね合い、愛し合い、伝え合った。
最初は…始まりは、僕をモンスターから護ってくれたことだった。
精霊王の森で出会い、恋に落ちた。互いに…一目惚れだった。
その当時、前々世の僕は小人族の王族で、女で…
王族唯一の生き残りとして、女王として結婚を選んでくれた。
その子孫が今のケイトで、魂が…僕の惚れた、最初の人で、最愛の人だった。
前世ではケイトは武家の男で、村では慕われ、頼られており
身分に拘らず農民と差別なく接し、貧しさから食糧の為に自ら共に農作業をしていた。
互いを見た瞬間に電流が走り、心臓が爆発するかのような錯覚に陥り、相手以外考えられなくなった。
一目見ただけで、まだそれほど深く知らないのに…気付けば互いを求め合い、嫁入りしていた。
愛し合い、二人の娘を残し、前世のケイトは死んでいった。
殿(しんがり)を務め、敵を多く引き寄せながら味方とは反対方向へ走っていき
小屋の中へと追い詰められ、弓で射られ、日本刀で刺され、一人死んだそうだ。
そして今…僕達は再び出会い、恋に落ちる。