第43章 出産
フィン(…悪質な洗脳か…
奴隷のように、そう扱われて当然のように…)
ケイト「自殺する為に包丁を持ち出しても逆効果だった。
結局は体のいい道具が欲しかっただけだ。
子は親の所有物だって散々言ってたし、意思なんて汲んだ試しも無かった」ぼろぼろ
フィン「…今は…」
ケイト「わかってる…
わかってる……
誰もが、そういう人ばかりじゃないっていうことは。
自ら関わってくる人間は皆、そういうストレス発散で傷付けたい人達以外いないって…
お金が欲しくて近寄ってくる人しか…それ以外、経験上…何もッ」
フィン「…知っているよ」なで←背を撫でる
ケイト「男が怖い、女も怖い、人間なんか大っ嫌いだ。
自分の都合しか何も見えない、見ようともしない。
苦しんでても笑って更に追い立てて苦しむのを見て笑う輩しか居ない。
苦しみに互いに寄り添い合って共に越えて行こうなんて人は一人としていない!!
大人なんて勝手だ、大っ嫌いだ!子の人生振り回すだけ振り回しといて笑ってる!!
街の同期も誰も信じられるか!!人の人生に責任取る気も糞も無いのに謝んな!!!自ら関わってくんな!!!
人間なんて絶滅してしまえ!!!!
はあっはあっ」
フィン「…それでも…護るんだろう?」
ケイト「……」こく
フィン「たとえ排他してきた人達だとしても」
ケイト「…」こく
フィン「…君は…優しいよ。
必要以上に傷付けない為に距離を置いたことも、ちゃんとわかっている」
ケイト「フィン…」
フィン「大丈夫だ…僕がさせない。
たとえ味わうことがあったとしても、何度でも聞く。
立ち直れるようになるまで、君が…そうしてくれたように」
ケイト「フィン…十分過ぎるよ^^;」ぽろぽろっ
そっ
泣きじゃくるケイトの後ろ頭に右手を回し、引き寄せ、抱き締める。
反対の手で背を撫で、右手で触れたままのケイトの後ろ頭を撫でながら…答えた。
フィン「僕の台詞だよ…それは」
ケイト「フィン…私…私はっ…母親になるのが、怖いよっ;;
一人の人間として、きちんと向き合うつもりだよ?
でもっ…」
フィン「大丈夫だ。
たとえ子が成長して離れていったとしても、僕だけは…隣にいる。
共白髪になるまで、なった後も…いつまでも、共に…生きていこう。今度こそ…
君という、ありのままの形で」