第43章 出産
この2人きりの空間が…ずっと続いて欲しいと願った。
2人きりの時間が、とても幸せで仕方なかった…愛しくて堪らなかった。
これから更にお腹の子2人が加わる、それでもいい。
もしそれで加わったとしても…
『おぎゃあおぎゃあっ!!』
ケイト「あ!ごめんねアル!!;
アルとディも御飯の時間だよねー!^^;」なでなで
アルとディにおっぱいを吸わせた後には…
僕はお酒とつまみ以外を食べ終えて…それからお酌をついでもらおう。
いずれにせよ…楽しい日々しか、想像できなかった。
きっと…君(ケイト)さえいれば――どんな状況でも幸せだから……
ケイト「風呂入った、明日の朝御飯の下準備はできた、歯も磨いた!
手伝ってくれてありがとう^^」
フィン「当然の義務だよ、夫としてね」微笑
ケイト「それ普通じゃないからね?
少なくとも…私の家では、そんなことは無かったよ。
育ての家族ぐらいしか……」俯
フィン「………
(彼女の闇は…決して消えることもない。
傷も、当時の想いも…決して、消えることなどない。
消すことなど、誰にもできない」曇り顔
ケイト「はっ!)ごめんね!;
これから寝るっていうのに辛気臭くなっちゃったよね?^^;」
フィン「…いや…ちゃんと吐き出してくれて嬉しいよ。
自分からは、中々教えてはくれなかっただろう?」なで←頭を撫でる
ケイト「…うん…
吐き出せるようになっただけでも、私には…天と地が入れ替わるぐらいの衝撃なんだ。
だから…感謝しかないよ//」微笑&遠い目
フィン「ずきっ)…そろそろ寝ようか」
ケイト「うん^^」
不意に、胸が痛んだ。
過去の傷は、決して消えない。
あの喪失感も、痛みも、哀しみも…慟哭も、決して癒えはしない。
両親を喪ったあの日に得たそれが、そうであるように…
他ならぬ、僕自身がそうであるように――
たとえ精神の専門家にかかった所で…決して、無にはなり得ないだろう。
それが…自分という歴史の、原点なのだから。
その笑顔はどこか、僅かに…綻びがあって……
僕の目には…無理をしているようにしか、見えなかった。