第43章 出産
フィン「今になって、よく視えるよ。
人にしたことがされるのではない。
していないことも何でも、この世では平等に降りかかってくる。
それに対して何を抱き、何を思い、何に怒るのか…結局は、自分というものを知る為に他ならなかった。
ならば何故、「人にされて嫌なことはするな」と教わるのか…
されれば嫌なことを進んで自らする人間になって、満足か?
どう在りたいか、そのまま死んでいって満足できるか、それに尽きるのだろうね」
ガレス「こやつは感情の塊のようじゃがな。気持ちよさそうに寝おって」なで←ケイトの左頬を右手の人差し指で撫でる
フィン「ふふっ^^//
ロキからの想いが、とても嬉しいのだと思うよ(微笑)
なんとなくだけれど…伝わってくる。
温かくて、ふわふわしたような…そんな、多幸感という想いが」
リヴェリア「そればかりではないのが現実だが…
だからこそ、その有難みを知れるという理屈か」
フィン「この世の理というのも、これだけ複雑なのによく組み立てられている。
崩壊しないよう、補い合う形で…至高の芸術品と言っても遜色ない。いや、足りないほどに」
ロキ「そりゃ苦労したもんなあ。
ウレイオスひーひー言いながら頑張って作っとったらしいし」ぐすん
ガレス「だが…形あるものはいずれ崩れる」
リヴェリア「ああ」
ロキ「恐竜滅ぼしたんも、ムーもアトランティスもレムリアも、全部ウレイオスがそうさせたもんな。
神々の総意っちゅうんで」
ガレス「滅びなくして栄華は成り立たんということか」
フィン「地獄落ちする人間は地獄落ちする。何を言おうが変わらない。
ケイトが言っていた言葉の意味が…今になって、よくわかるよ。
あれは決め付けでもない。もとより定められたものだ。
滅多なことがない限り、自ら変わろうとしない限り、決して変わりようがないし、変えようもない。
人の話を聞き入れず、心の余裕も無くして自らのことばかり考える。
愚かではあるが、その本人の魂の成長、ステージがその段階にあるということだ。
変えようと思って変えられるのなら、それだけで成長できるのなら元から苦労はしないし、この世には産まれてくる意味もない。
人それぞれ乗り越えなければいけない、できるようにならなければいけない試練は異なってくるわけだし」
ロキ「そこは神にしかわからんからなあ」