第43章 出産
ロキ「大丈夫や。
じっくり検証したらええ!
神の力あっても解決でけへん問題なんて、そうそうないやろ!」
フィン「…ああ。そうだね」
ロキ「っつぅか【女神の戦車(ヴァナ・フレイア)】だけやなくて【炎金の四戦士(ブリンガル)】までおるやんか!」
窓から頭を出して1人と4人を見つける。
よくよく見ると、目に映らない場所にいるLv.6の2人…ヘグニとヘディンがいるのを感じた。
リヴェリア「…ロキ」
ロキ「ん?」
リヴェリア「誤魔化せたと思うな。
殺すと、浄化する。
双方の違いは、一体なんだ?」
ロキ「……まず…フィンが神の力を得れたんは、同じ課題を持っていた。
それと同時に、それがお互い最後のそれやった。
神として力を解放できたんも、神の力を目覚めさせられたのも…
出会い、想い、歴史を紡いで…ここまで来たからや」
ガレス「互いに反響し合ったと…そういうわけか?」
ロキ「ん(頷)
で、肝心の殺すと浄化するの違いやけどな…(くるっ)←窓へ腰掛け、フィン達を真っ直ぐ見やる
負の感情っちゅうのは循環しとるんや。
それに戻った。それが浄化するっちゅうこっちゃ。
それと違って、殺すっていうんは…存在そのものを世界から消し去ることや。
その一つの世界から、その意思も、経緯が故の強烈なもんも、想いの歴史故の産物…
それらまできっかり消し去ってまう。
循環するっていう理にも乗れず、力を使った本人の都合で消し去られてしまうんや。それこそ全部な。
せやから、殺すと浄化するは根本的に違う。
理のもとの流れへと返すだけや。
人から負の感情を持って接されれば負の感情を抱く。
持たずに接しても、本人の主観や価値観に応じて抱く。
ただ見ているだけで、不快感を抱き、負の感情へと直結する。
いずれにせよ抱くそれは、本人が本人であるが故のもんや。
生きている限り、決して避けられへん。嫌なもんは、嫌やからな!(にっ)
だから…負の感情も、闇も、完全に消し去ることなんてできへん。
それがあるから、自分なんや。
自分ってもんは…そこから知っていくもんやからな」真剣&開眼
ふと、ロキは天を仰ぎ、視線が天へと向けられた。
釣られてそれを見やると、そこには…風にされるがままに流れる雲があった。
それに右手を伸ばしながら、ロキは再び語る。僕達へ向けて…