第43章 出産
神フレイヤがロキを見やりながら微笑みかけると、無言で肯定を示した。
神にとっては神の力とは馴染みあるもの。
だからこそ、対面した時点で持っているものはすぐわかってしまう。
ケイトに関しては、神の力を得たことを悟られるだろうとは思っていた。
始祖神の魂の生まれ変わり、と同時に力を宿していたこともあって…
僕まで悟られることになるとは、思いもしなかった。
フレイヤ「じゃあ、また明日来るわね^^
出産祝いの品も、その時に」微笑←扉に手を掛ける
オッタル「…」すっ
オッタルが僕達を見やり、黙ったまま動きを牽制しつつ、神フレイヤと共に部屋から去っていった。
ばたん
『はあっ』
扉が閉まると共に、僕達は嘆息を零した。
一番厄介な相手に、一番知られたくないことを知られてしまった。
ロキ「あー…
まあ、ともかくや。
内緒にしてるつもりやったんやけどなあ;」
リヴェリア「我々は聞いていないのだが?」
フィン「…;」
ガレス「済まないで済ませる気ではないじゃろうな?」
フィン「いや…;
ははっ。本当にそれ以外思い浮かばないよ;」額押さえ&瞑目苦笑
リヴェリア「笑い事ではないだろう」睨視
ガレス「まったく…
今度は一体どんな無茶をした?」
ロキ「…パラレルワールド、つまり並行世界に存在する終末神の始末を付けてた」
2人『!!』瞠目
リヴェリア「一人ではなかったのか!?」
ロキ「いや、一人や。
でも、浄化されなかった世界っていうのがある。
可能性は半々、つまりや…2分の無限大の数、おるっちゅうこっちゃ」
ガレス「…信じられんの」
ロキ「ケイトとフィンが身に付けれたそれ(神の力)が何よりの証拠や。
ま、殺されたんやなくって浄化して一つの意思に巻き戻したっちゅうんが正しいけどな」
リヴェリア「?どう違うんだ?」
ロキ「強過ぎる力、闇に意思が宿ったことでその本能のままに奪おうとした。
特に始祖神並みの歴史と経緯があればそれはより一層深まりを増すだけで済まん。
より確固たる決意っちゅうんで強さが倍増しになってまう」
ガレス「…それとフィンが神の力を得るのと、どういう関係がある?」
フィン「……本来なら…僕を置いて行っていたらしい。
だが、起きたことでそれには何らかの意味があるはずだと…
そして気付けば…」