第43章 出産
ケイト「はあ…死ぬ……死んじゃう…」
フィン「!?;」
アミッド「ケイトさん、抱いてあげて下さい。
元気な男の子ですよ」さっ
ケイト「アル…やっと…会え、げほっ」
フィン「ケイト!」
ケイト「しん…どい;」ぜえっぜえっ
フィン「アミッド、酸欠状態のようにも見えるんだが;」
アミッド「大丈夫です。既に準備は進めています」
アミッドから直々に取り上げられたディは、僕へ手渡された。
アル&ディ『おぎゃあおぎゃあ!!&おんなあおんなあ!!』
時に声を揃え、時に交互に泣き声をあげていた。
フィン「これで…僕も、今日から父親か//」微笑&じわっ
腕の中の温もりがじんわりと伝わってくる。
その温かさに、柔らかさに…不思議と胸が熱くなり、涙が不思議と滲む中…
べしっ!!
ディからパンチが飛んできた。
フィン「はははっ。元気だね^^;」
元気そうなディのけたたましい泣き声に、僕は苦笑を浮かべるばかりだった。
ふと泣き声が止んだことから、ケイトの方を見るとアルに乳を飲ませていた所だった。
ケイトもまた、黙ったまま笑みを浮かべていて、大事そうに背を撫でながら抱いていた。
出産で産道を通って出てきた後、十字架のペンダントは光らなかった。
つまり…精霊王の森の守り人、後継者ではないということ。
その間にも周囲は処置を進められていき、個室へと移動させられた。
子宮の収縮、つまり元の大きさに戻るのを速める為に必要なことをアミッドから伝えられた。
便や尿は我慢しないこと、医師から許可が出れば歩く等で身体を適度に動かすこと、赤ん坊へ胸を吸わせること。
そうして…
ケイト「可愛い可愛い可愛いー^^//」すりすり
フィン「むっ!)」ギロ
満面の笑みを浮かべてアルの頬へ擦り寄せるケイトの姿を見るや否や
自然と沸き上がる怒りと共にアルを取り上げ、ディを押し付けた。
テロップ『あからさまな嫉妬だ』
やはり…たとえ父親になろうとも、ケイトを奪われるのは嫌だった。
何より癪に障る!