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Unlimited【ダンまち】

第43章 出産





ずるん、と頭が出て、それに続いて体が出てくる感じがあった。らしい。

アミッドが言うには、その際に今までのようにいきんでは赤ん坊の頭が変形しかねないので気を付けなければいけない、とのことだ。


滂沱の涙を流しながら、ようやく指示通りいきむのをやめた。

2時間も続けていれば、それはまあ…気が遠くなるのも仕方ない。
同時に出ようとされる度、凄まじい激痛が走っていたらしいし。それが2時間もずっと…



ケイト「アル…が、来た」はあっはあっ

フィン「まさか本当に2人同時に出ようとしてくるとはね;」なでなで←944ページ参照

現在進行形で腰をそっと撫で続けている中、不思議と長かったという想いがよぎった。


へその緒が切られ、産湯に付けられるのを見送りながらも撫で続けている中

アミッドの叫びが、ケイトの呟きに被さった。



ケイト「2時間も、かかる、なんてっ;」←息絶え絶え
アミッド「後1人です!

ほら!いきんで!!」
ケイト「はいいいいいいいっ!!;;」

今度は数分も経たず、まるで負けじと追い掛けるが如く

自然と出てきてくれたように、それは早かった。


まるで競い合っているようだと、後になってから思った。




9:30に痛みを伝えられ、共に治療院まで移動してから輸血用の血の準備に協力。
同じ血液型の為、僕の血を使って欲しいと申し出た。

それを待っている間、ロキに通信機で話す。
心に整理が付いてからケイトへ元気付けに行き、自宅へ入院キットを取りに行くことを伝えて治療院を出ていく。


それから通信機で話し合った後、10:00に治療院のケイトがいる部屋へ着き

破水したことを合わせて聞かされ、立ち会い希望か問われ、立ち会わせてもらう。



そして…

12:10:03、長男アル出産

12:10:55、長女ディ出産


大事を終えた今、ケイトはぐったりと身動ぎさえもできずベッドに身を預けていた。

指が握った状態のまま固まっているようで、自力では開けないほどに疲弊し切っていた。



フィン「よく頑張った」なでなで

まだ抱いていない、それでも…

応援ぐらいしか出来なかったわけだけれど、大事も無く終えてよかったと心から思った。


長引いたせいか出血も多く、既に全血液量の3分の1を失っているらしく、輸血の準備がすぐ傍で進められていた。


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