第43章 出産
この世での執着、思い込み、打算、それら全てを取っ払い…
全てを大切に想い、殺したい以外想えずとも傷付ける為に自ら関わらないこと…
三角が三角、四角は四角。三角は四角になり得ない、逆もまた然り。
そういうものなのだと流し、受け入れずとも大切なピースだと想うこと…
それができるようになるだけで、どれだけの労力が必要となるか計り知れない。
それでもなお…それができる者にこそ、神の子として力が解放される。
力目的でいきなり最終段階から入ろうとしてもそれは決してできない。
それで得られるような、軽い行動ではない。済まされない。
傷付けてきた者、殺そうとしてきた者、常に暴力や暴言で従えようとしてきた者…
それらでさえも大切な存在だと流すことは、心が、感情が決して許してはくれない。
どうしたらいいか?
それが自分という存在なのだと受け入れること。
その心も、感情も、その全てが…そういうものなのだと…
大切なことに変わりはないし、替えの利かない大切なものだと…
それは相手も自分も、同じなのだと……
それに至るまで…非常に、極めて、何よりも難しい。
人生経験を積めば積むほど、感情は苛烈さを増して制御が効かなくなっていく。
しつこい、失せろ、消えろと…何度も何度も繰り返される度、怒り、憎しみ、恨み…殺意へと結ばれやすくなる。
それでもなお、そう想えることこそが…そのステージへと立たせてもらえる。
もらえるというのは、そういう機会などはないに等しいからに他ならない。
そう…彼女の口から身振り手振りで伝えようと必死に言われ、僕はなるほどと頷くばかりだった。
アミッド「あ…あの…;」
ケイト「?何?」ひょこ←フィンの腕の中から顔を出す
アミッド「鑑定結果が…(ごくり)
あなた方2人の年齢が、5000歳となっているのですが;」
ケイト&フィン『!!?;』ぎょっ!(瞠目)
アミッド「あ、あの…;もしもし?もしもーし?;」
ケイト&フィン『………;(どうしよう;』曇り顔&遠い目
その思いもしない、寝耳に水の情報に瞠目し…固まるばかりだった。
こうして、また一つ…問題が増えた。