第43章 出産
そうして家に帰り、ロキ・ファミリアの自室からケイトが設置したワープポータルで
空中都市にある自宅の寝室へと移動し、共に抱き締め合って眠りについた。
しかし…日付が変わった頃、腕の中の温もりは消えた。
フィン「ん…」
ふとした変化に目を開けると、ケイトがしまったとでも言わんがばかりの表情で固まったまま、ベッド上で跪いていた。
フィン「どうしたんだい?トイレかい?」ごしっ←目を擦る
ケイト「その…言わないと、いけないことがあって」
フィン「?」
ケイト「終末神は…死んでない」
フィン「!?(がばっ!)
どういうことだい!!?」
ケイト「正確には…他の世界の終末神が、世界を渡ってそこにある闇を食らい尽くして強大化していっている」
フィン「僕に…できることは」
ケイト「…私はさ…今だからこそ、思うんだ。
ここまで強くなったのも、それを止める為だって。
この世界まで来られたら、皆までやられちゃう。
それを止める為に産まれて、ここに来て、皆に出会って…強くなったんだって」
フィン「……もしかして…酒場の時点で、薄々感付いていたんじゃ?」
ケイト「…うん(頷)
それでも…言わなかったのは……これ以上、心配かけたくないんだ^^;
大切だから、さ。
だから…なかったこととして、共犯者になってくれない?
必ず、夜明け前には帰ってくるから」
フィン「……絶対、だね?」
ケイト「…うん…
絶対、帰ってくる。たとえどんな姿になったとしても(真剣)
それが…皆への想いの示し方だ。
話さないと通じないって、勝手に口をついて出てきちゃうんだけどね^^;
ありがとうって…愛しているって」
フィン「…早目に頼むよ。心配で死にそうだ」苦笑
ケイト「わかってる(頷)
アルとディは置いていくよ。もしも流産したらやだし」
フィン「…一昨日の晩と昨日の昼、アキに預けたように…
今度は、僕に預けてくれないかい?」
ケイト「元から、そのつもりだよ。
ただ、起きてくる前にさっと行ってさっと戻っていくつもりだったんだけどね^^;」
フィン「…想いの示し方は人それぞれだけど、それは」
ケイト「わかってる。
死ぬほど心配かけちゃうことも…
これで、最後だ。
最後の戦いだ」真剣
その目はどこまでも真剣で、真っ直ぐ僕の双眸を見つめていた。