第43章 出産
気が進まないまま、重い足取りでリヴェリアに急かされるまま台所へと移動した。
まずはケイトとの対話が必要不可欠だとばかりに…
そうして辿り着いてみると……
ガラガラガッシャーン!!
凄まじい物音がして、走って近付くと…
ティオネ「団長!!;」
フィン「状況は!!?」
リヴェリア「何があった!?」
ケイト「う…」むくっ
ティオナ「えっとね;頑張って作ってるんだけど…;
さっきからずっとふらふらしてて」
フィン「それは知っている。
朝方からずっとそうだった」
アイズ「!そうだったの?」
リヴェリア「ああ。
ずっと執務室でフィンの傍に居たそうだ。
そのまま膝の上で寝て、眠り耽っていた」
ティオナ&ティオネ『ずるい!』
ティオナ「それだったら私の所に来たっていいのに!」
ティオネ「団長の膝の上で寝るなんて!!;」
フィン「いや、気を遣ってか全体重を預けることはなかったから気にしないで欲しいんだが;」
リヴェリア「言っている場合じゃないだろう。あれを見ろ!」ビシッ!←ケイトを指さす
『!!』←揃ってケイトを見やる
ケイト「ふらふらふらふら)がん…がん…ば…るぅ」くらくら
僕が来る前まで…
アイズ「…大丈夫?;」
ケイト「だい…じょ…ぶ」ふらふら
ティオネ「覚束ない足取りね;」
ティオナ「大丈夫かな?;」
レフィーヤ「心配ですね;」
じー
周囲が心配しながら見守る中、ちゃんといつも通り野菜も肉も斬れており(まな板ごと)
出汁もきちんと取れていて(鰹節まで丸ごと入っており、味噌をスプーンごと入れている)
まな板の欠片を入れない程度には判別は付いているのだが、少し味が薄いけれどきっちり煮込まれていていつもの美味しいレベルに収まっていた。
それから椅子について食べるという段階にまで至ったのだが…
フィン「ケイト、大丈夫かい?;」
ケイト「くらああ)…」
ばったーん!!
『ケイト!!?;』
椅子についても、うとうとと眠りに再び落ちた。
食事も移動もままならず、歩くことさえもできない状態にまで至っていた。
恐らく、美味しさを強めるよう魔力を使ったのだろう。
会話さえもままならず、しようにもそのまま意識を手放してしまう。
まるで…僕達を守る為に動いた後……あの時の、精神力枯渇(マインド・ゼロ)のように――