第42章 伝説
ケイト「そして…
そして、シルキーが3歳になった時、かけられた言葉に救われた(ぐすっ)
『私ね、実はね?』
ケイト『ん?』
『パパとママより、ケイトお姉ちゃんが大好き♪』にこにこ
ケイト『!』
『えへへっ。内緒だよ?』
ケイト『はっ…はははっ^^//;(ぽろり)
よぉっし!高い高いメリーゴーランドだあああ!』微笑
『きゃああ^^♪だから好きいい』きゃっきゃっ
ケイト『お前は私の天使だあああ^^//』
『私天使いいい♪きゃああああ^^//♪』にこにこ
高らかに声を掻き立てながらはしゃぐシルキーを
持ち上げて、下げて、それを繰り返しながら…いつものように私という点を中心に左回転でぐるぐると回る。
私の場合は、それと同じで、下がっていた期間が長かっただけなんだって…
そう思った。
思いたかった。
そうでなくっちゃ…何の為に産まれてきたんだって、思いそうだったから。
護りたかった…
守れなかった…
二度と失わなせないという誓いも
初めて得た…心の居場所でさえも……」
帰ってドアを開けると、正面の突き当たりは台所で
玄関から程近い、台所の傍に机と4つの4脚椅子がある。
右手には鍛冶場に繋がっており、左手には真向かいへ伸びる形で階段があって2階に自室があった。
台所の前、玄関との間の広間に…3人は横たわっていた。
シルキーを抱き上げ、僅かに残る温もりに身を埋める中…
横断幕に触れて、次にプレゼントのインゴットに触れて伝わってきた想いに…←1050,1051ページ参照
どうしても生き返らせられない…変えようのない状況に、ただただ咽び泣くことしかできなかった。
その当時に得た想いも、僕達と出会ってから得た想い(1052~1058ページ参照)から状況の詳細に至るまで、涙ながらに説明してくれた。
ケイト「失って、失って、失い続けて…
もう…二度と、人とは交わらないって…関わらないって決めたのに……
結局は…独りでは、生きられないんだっ;
辛い時のことしか、過去のことしか何もないから。思い出せないから…」
その言葉に、ようやく理解が追いついた。
自ら関わってくる人達には傷を付ける人達以外誰も居らず
だからこそ…そうされないことも、愛されることも、この上なく嬉しかったのだと。