第42章 伝説
ティオナ「結局さ…
ケイトは、そういう人達が地獄に落ちるのをわかってて…
私達がそれと同じにならないで欲しいから、今言ってるんだよね?」
ケイト「…うん」こく
レフィーヤ「黙って見ていられなかった…ということですか?」
ケイト「うん。
それと、ここに居るのは好きな人達だからさ…
知識を与えておけば、落ちなくて済むかなって…そう考えちゃったんだ^^;
あの痛みも…傷も…完全には、塞がり切ってないけれど…無駄じゃなかったと、思う。
繋がっていたんだなあって…今では、ちゃんとわかってるからこそ思えることなんだけど」
アイズ「うん…私も、そう思うよ」微笑&なで←頭を撫でる
ケイト「…私さ…」
『?』
ケイト「何で…生きてるのかもわかんなかった。
何で死ねないのかも、わかんなかった。
…わかりたくなんて…なかった……」ぽろっ
双眸から、涙がぼろぼろと零れ落ちていった。
それから…昔を思い出しながら、ポツリポツリと呟いた。
ケイト「姉を失って、失いたくなくて…必死に手を伸ばして…
どれだけ魔力を込めても、触れて送ろうとしても無理だった。
ありがとうって言葉が、大好きだよって言葉が、霊になったお姉ちゃんの最期の言葉だった。←1049ページ参照
責め立てられて…痛くて、苦しくて…誰にも言えなかった。
どれだけ勇気を振り絞っても、言っても、決して取り合ってもらえなかった。
それでも、生きる上で戦ってるんだって…頑張ってるんだって…受け入れるしか、無かった。
誰も怒る人もいなかった、笑ってる人しかいなかった。
だから…当たられたって、それは正しいことなんだって…
自分を傷付けることは、何も間違っていない。皆喜ぶって…嬉しいんだって……(ぽとっぽととっ)
今じゃ、違うってわかるのにさ…^^;
あの当時には…そんなことを、教えてくれる人さえも居なかったんだ…
怒っていいんだってことさえも、わかんなかった…
泣いていいことも、苦しんでいることを訴えかけていいってことさえもっ…」ぽろぽろ
ひっくとしゃっくりを上げるケイトに、僕は寄り添い…
頭を腕の中へと押し込めるように、抱き締めた。