第42章 伝説
フィン「!…ケイト?;
(殺気が…殺気の渦が;」
ケイト「フィン…ありがとう」
フィン「?;」
ケイト「フィンがいてくれて…本当に、よかった;;」ぼろぼろ
フィン「!?;
な、何かやったのかい?;」
ケイト「うん;」ぐすっ&頷
フィン「…;何が、君の心の琴線に
ケイト「全部;」
フィン「全部!?;)
…あ…あー;
その…できれば、ちゃんと説明してもらえると助かるんだが;」
ケイト「頑張れたのは…皆のお陰。
フィンは…いつでも、どんな時でも、ちゃんと受け入れてくれた。
怒っててもどんな時だって愛してくれたし、だから…嬉しかったし」ぐすぐす
フィン「済まない…;
言葉だけではどうにも話が見えない;」なでなで
よくわからないが背に腕を回し、彼女の背を宥めるように撫でた。
ケイト「ほら、そういうとこ;」ぎゅうっ
フィン「なでなで)?……
撫でている所、かい?」
ケイト「ん;
温もり、恋しい。あったかい。いつでもくれる。
愛してくれているの、が、凄く、よく、わかる」ひっく
それから…ケイトは涙ながらに、ちゃんと説明してくれた。
別れは必ずついてくる。
どんなことがあっても死なない存在など、無くならない存在など…決していはしない。
それなのに何故…何度も人と関わり、深まり、失い、嘆き…
また…何度も、何度も…求めては失っていくのだろうか……
小さい頃から何度も考え、それでもなお答えは見つからなかった。
その中でも…失いたくないという気持ちだけは、深まりを増していくほどに強まる一方だった。
死が生者とを分かち、それまで死者となる者といた対価として生者に暗い陰りを残す。
今までの楽しい想い出とは引き換えに、失った時の喪失感が…
まるでその罪を裁く罰のように、ギリリギリリと心を軋ませる。
その罰自体、自らの心が生み出したものでもあり、それこそが弱さでもある。
失った者、それ以外何もない者には…支えを無くしたそれには…
その心には空虚しか、苦しみしか残らず…温かな想い出とは引き換えに、それ以上の痛みが食い破る。
あの頃が春とも表現できる「温かな夢」の一時のようで…
その春を待つ胸が苦しく、また持つことが怖かった。
それでも…生きている限り、それは決して避けられないのだと知った。