第42章 伝説
ケイトの口をよくおしぼりで拭いてから唇を奪って消毒する中、後ろでは荒れていた。
ヴェルフ「まあ…やりたくてやってるわけじゃねえように見えるが;」
リリ「やりたくてやって堪るものですか!!!;」
ヴェルフ「お前、あんなにファンだってサインまで貰ってたじゃねえか」←865ページ参照
リリ「それはそうですけど!!;
断っても断っても纏わりつかれて…
拒絶しても拒絶しても離れていかない人達ばかりですし!;」しくしく
ヴェルフ「お前も重婚するか?」
リリ「するわけないでしょう!!;」
ギャーギャー!!
春姫「ケイトさんが懇意にしているのはフィンさんだけですよ?」
命「いくら言い寄られても断っている時点で気付いているはずでは?;」
リリ「そうなんですけど…不安の種じゃないですか!!」
フィン「うんうん」二度頷
ティオネ「飽きたらいつでも来て下さい!団長!//」キラキラ
フィン「済まないがケイト以外とは死んでもしない」きっぱり
ケイト「私もフィン以外とは死んでもしない」きっぱり
『………
沢山の人に言い寄られながら?』
ケイト「フィンのじゃなきゃヤダ!」きっぱり
フィン「/////」
嬉しいような、恥ずかしいような…
羞恥心と有頂天とも言える喜び、それらが同時に襲い掛かってきた。
まともにその真剣な目を見れず、もじもじと俯く中…殺意渦巻く視線が今度は僕へ集中した…;
『………・・』じいいいいい
フィン「…//;」たらーり
冷や汗が背を伝う中、ケイトはそっと僕の右手を両手で取って、そのまま包み込むように握り締めてきた。
満面の笑みで嬉しそうに、にこにこと温もりを確かめるかのように撫で回す始末で…
僕は何も言えないまま、現実から逃げる為に左手で彼女の右手の甲をひたすら撫で続けるばかりだった。