第41章 終末との戦い
まるで見定めるかのように双眸を見入られる中、僕は誠意を示す為にある言葉を言い放った。
フィン「君達の意にそぐわないというのなら、今ここで君達に食い殺されても構わない」
「「「!!!」」」
「ならばお望み通り食ろうてくれるわ!!」
ぐわっ!!!
静まり返った空気が音を呼ぶ。
疾風となって、顎が大きく開かれ、牙が剥かれる。
両親を殺した牙と同じ大きさのそれが、僅か数cmにまで迫る。
それを前に僕は…ある選択をした。
決して動じず、動かないことを……
狼「……何故、動かん?」
ピタリと牙の先端が左頬と右頭頂部に触れ、挟まれる中
その三匹のリーダーと思しき狼が問うた。
フィン「…君達にとって、それは利にはなり得ないからさ」
狼「何故そう言い切れる?」
フィン「結婚とは、当人の合意なくして成立しないもの。
もう…とっくにわかっているはずだ。
彼女が、僕を選んだということを」
「「「……」」」
狼「そうさな」
フィン「…それでもなお食らえば、彼女は激怒するだろう。
それも君達にとっては不本意なはずだ。
それに…彼女なら、是が非でも生き返らせようと躍起になってくれるさ。
愛しているからね」
「ふっ」
「ふっふっふっふっ」
「はっはっはっはっ!!」
「「「はっはっはっはっはっはっ!!!」」」
「まったく。とんだ食わせ物だ」
フィン「よく言われるよ^^」くす
「お主の覚悟は受け取った。
前の旦那、ケイトの父は腐っておってな。
挨拶にも来ず、来ても震えて決してケイトの母から離れまいとしておったわ」
フィン「心外だな。僕はそんな人間ではないよ」苦笑
「知っておるさ。
そうでなければ、真の愛を抱く者でなければ決して懐かん」
狼「よく決意したな。我々と話すことを。
何より…あれを前に逃げんのは、相応の覚悟無くしてはできんだろうに」ふっふっ←未だ上機嫌に笑っている
フィン「信じて動かないことにしたのさ。
君達を、じゃない。彼女を…
彼女が信じている君達だから、そう選択することにした。
あとは、まあ…さっきも言ったように、ケイトなら蘇らせてくれるだろうと考えた。
そもそも挨拶回りに行くとケイトへ伝えた時、いってらっしゃいと手を振って見送った。
つまりは…そういうことだ」