第41章 終末との戦い
「やめてと言ってもやめず、行い続けたそれは全て悪ではないと言い張る。
助けを求めることも悪とし、チクリだのと蔑み…
何様のつもりだ?
あのような下賤な人間の中に、また放り込めとでもいうつもりか!!!?
あの子を見抜けず決め付け、蔑む輩共に!!」
「ろくに話も聞かずに笑っておっただろうが!!」
「お前も自分さえよければ良いと考える人間の一人か!!?
お前もまた同じ人間か!!?
答えろ!!!穢れ多き邪神の一族め!!!」
その場にケイトはおらず、人間という存在そのものを敵視しているようにも見えた。
ケイトから人間嫌いと聞いていたが、穢れ多き邪神の一族と捉えていたというわけか…
なるほど。うまいね。
確かに動物には私欲などはなく、自分さえよければという勝手なそれはない。
人間のように穢れてもいないし、確かにそう捉えられるだろう。
フィン「僕は…」
話し出した言葉に、耳がピクリと動いた。それも全ての動物が…
まるで、一字一句聞き漏らすまいとするかのように。
フィン「彼女がそう望むのなら、森に帰すつもりでいる」
「ならば何故婚姻など結んだ!!?」
フィン「それは…君達と同じようにさ。
気付けば恋い焦がれていた」
「どこに惚れた!?」
フィン「…彼女は、自分の為に悩まず人の為に体を張る「馬鹿」だ。
でも、その馬鹿さ加減が僕達の心を動かした。
僕に至っては…生涯を、共にしたいと願うほどにね」
「そうして散々利用するだけして捨てるのだろう!!?」
「同じ力を持つ為にか?利用する為にか!?」
フィン「…異なことを言うね。
『対等な力を持っているから、対等に話せる』というのがおかしい。
同じ星に生まれた生き物として、全ての人が対等に話せるようになるべきだ。
少なくとも…君達のよく知る彼女は、それを体現していたよ。
だからこそ、彼女に惹かれた」
「「「………」」」
「決して別れぬと申すか?」
フィン「ああ。
彼女と…ケイトと別れるぐらいなら、僕は死を選ぶ」
「「「!!」」」
「はっはっはっ!戯言を!^^」
フィン「戯言かどうかは、目を見ればわかるだろう?
僕は本気だ」真剣&睨視
しん
その瞬間、動物達だけでなく空気までもがまるで静まり返ったかのように…
一切の音が無くなった。