第41章 終末との戦い
その時…僕の頭に、新婚旅行でのケイトとの結婚報告で動物達から言われた言葉がよぎった…
「黙れ小僧!お前にあの娘の不幸が癒せるのか!?
人間に在らぬことを言われ、言葉だけに飽き足らず行動にまで暴力を振るわれ、それでもなお仕返しもできん。
何故かわかるか?
その痛みを狂おしいほどに知っているからだ!!
どんなものでも大切にしたいと、この痛みを与えたくはないと嘆ける…
純粋で、穢れも無く、優しい…穏やかな気性の持ち主だ!!
傷を平気で与えられる人間にもなれず、かと言って動物にもなりきれぬ…
哀れで醜い、可愛い我が娘だ!
今更人間なぞに誰がやるものか!!!」
「何故己のことも考えず、人のことばかりを重視し考えるようになったかわかるか!!?
己を考えてくれる者も、愛する者もおらぬ。
与えられるのは暴力しかない!傷以外にない!!
その傷を与えたのは誰だ!!?
人間だ!!!人間だけだ!!!!」
「無垢で、邪心すら持てず、いいように振り回され、挙句の果てに都合のいいよう傷付けられ続ける有様だ!!
お前にケイトが救えるのか!?
他の傷に、痛みに、敏感に反応し…寄り添い、涙し、それを与えることを頑なに嫌がる。
それが何故かわかるか!?
傷以外人からは与えられなかったからだ!!」
「あやつは人としては決して生きられん!!
人の中では生きにくい性格をしとるのがまだわからぬのか!!?
心を抉り、奪い、塩を塗りたくり、感情まで失わされたあの娘がどうしていたか知っているか…?
「傷付く為に産まれてきた」「殺される為に産まれてきた」と言うだけに飽き足らず
「楽しいんだよな~?♪皆嬉しいんだよな~♪はっはっはっ^^♪」と歌いながら笑って自らを拳で、ナイフで傷付け続ける始末だ!!
何度止めてもやめもせん!!聞きもせん!!
自らを傷付けんと落ち着かなくなるほどにだ!!!
そうではないと当たり前のことがわかるようになるまで、何年の時を要したかわかるか!?
3年だ!
3年も常に寄り添われねば決してわからぬようになった!!
また更に傷を増やし精神を破壊させろとでも投げかけるつもりか!!!?」
「そのようなトラウマも傷も、まだ癒え切ってもおらぬというのに…
まだ、人の中で生きろだと?」
「「「これ以上更にあの娘を傷付ける気か!!!?」」」