第41章 終末との戦い
アミッドのもとへ運べたのは、部屋へ移動させられて30分が過ぎた頃だった。
8:00
時刻が変わった頃、目を開けた。
しかし…何度名を呼び掛けても、揺さぶっても、何の反応も返ってこず…微動だにしなかった。
アミッド曰く、精神の防御反応だそうだ。
10:00
アイズ「御飯食べよう?
ねえ…ケイト」
また揺するもなお、何の反応も返ってこず…
僕も黙って見ていられず、アイズを押し退けて右側に立ち…
そっと左頬に右手で触れ、唇を奪った。
何度も、何度も、何度も…ついばむように、優しく撫ぜるように…
そうして、20は超えただろうか……
ケイト「……本物?」ぱちくり
ようやく、陰りを差したままの目に光が差し…
フィン「ああ。本物だ」
ケイト「………生き、てる?」すっ
フィン「ああ」
手を伸ばしてくるケイトに笑いかけながら頷いた。お帰りと、言葉を添えて…
なでなで
するとケイトは右手で僕の頭を撫で、髪の感触を確かめるかのように触り
ぺちぺち
次に左手で頬に触れ、右手を後ろ頭に回して抱き寄せて左頬へ擦り寄り、温度を体感しながら撫でた。
ケイト「うああああああああああああああああああああああああああああああっ;;;;
よかった;;よかったああああ;;
死んで、目の前で、何度も;;ひっく;うわあああっ;;」ぼろぼろ
最後に両腕を首に回して抱き締め、縋り付くように泣きじゃくり出した。
その滂沱の涙は数時間は止むこともなく…
彼女が言うには、スプラッタな光景ばかりが絶え間なく流れ…
何度も何度も失い、何度も何度も…姉の時のように失い続けたという。
勇者として…団長として…間違いは赦されなかった。
だが…選択肢は正解と不正解の二択ではないことを知った。
たとえ間違い、それで幾度の苦難に見舞われようと…何度でも返り咲くことが出来ることを、君を通して知った。
自分の心で選ぶことの大切さを、知ることができた。
損得勘定や打算ではなく、自分で道を選べた。
その上で…護ると決めた。
たとえ世界中を敵に回すことになろうとも、そうすると……
だというのに…助けることが出来なかった。