第41章 終末との戦い
何をしてでも…破ろうとした。
それでもなお…届かなかった。
苦しみ、悲鳴を上げ、涙を流す彼女を…助けられなかった。
数時間に渡る猛攻の末、微動だにしない結界を前に…悲鳴が最早聞こえなくなる……
その結界を通して見える目の前の光景に、再び拳を強く握り締め…気付けば…
あの時(535,544ページ参照)と同じように、血が滴り落ち、手袋を破っていた。
それから数分も経たない内に、僕達は纏めて闇に包まれたと同時に僕とケイトの部屋へと瞬間移動させられていた。
アイズ「ケイト…ケイト?」ゆさゆさ
ケイト「………」無反応
アイズ「……」ぎゅうっ
ベートの咆哮が部屋中に響き渡る中、アイズが自身の近くに飛ばされたケイトを抱き寄せ、必死に揺すった。
しかしそれに対し反応は一切なく、アイズはただ抱き締めるばかりだった。
その最中で、僕はロキを睨視した。
残ると約束していたはずだった。
今天界に帰られれば恩恵が切れ、僕も含めケイトまでもが常人と成り下がる。
神の力を出せない、ただの人間となる。それを避ける為、決めたはずだった。
それを破ったことに異議を唱えようとしたその時…ロキから言葉がかかった。
ロキ「あんなあ。
始祖神の力を目覚めさせようとしてんやで?
うちを天界に帰して、あいつに利点あるか?
あいつに、うちを殺す気はない。
始祖神の力を目覚めさせて何を狙うてんのか未だにわから…
いや?もしや…あいつ…自分の闇を殺させたいんか?
それやったら何で精霊王ごと守り人達を纏めて殺した?
もしや、無理やりにでも蘇生させようと奮起させる為に?
それでも足らんかったから、ああしたんか?
つまり…あいつの真の狙いは、自分を消させる為か?」ぶつぶつ
フィン「そんなことはどうでもいい!!!」
リヴェリア「ああ。
それよりも今はケイトだ。アミッドの下へ運ぼう」
ガレス「…くそ…忌々しい結界じゃ」
ガツン!!←結界を殴り付ける
フィン「ガレス。
今から殴り込みに行くのはやめてくれ。
ケイトの力無くして、それを破ることはできない」
ガレス「…一発殴らねば気が済まんが?」ぎろっ!
フィン「僕はそれ以上だ!!」ぎりっ!
互いに睨視し合う中、不意に火花が散った。
苛立ちが収まらず、憤りに似た感情に心が支配されていった。