第40章 果てのない悪意(闇)
ケイト「十分…救われてるよっ;;」
ぼろぼろと涙を零すケイトに、不意に涙が零れ落ちた。
僕も…ケイトも…お互い、失いたくなどはなかった。
それでも、失った。
どれほど焦がれても、どれほど泣き喚いても…決して帰っては来ない……
その狂おしいほどの痛みを、愛おしさを…互いに理解してるからこそ。
フィン「ああ…僕もさ」ぽとっ
頬を伝って落ちて行く涙が、叫んでいた。
知っていると…僕も、同じだと……
ケイト「私は…私は、ずっと死にたかった」
フィン「ああ…知ってるよ」
抱き締められたまま、今度はケイトが両腕を背に回して…強く抱き締めた。
ケイト「ずっと、ずっと…
傷付けられれば、殺されかければ、皆喜ぶって…
その時…いつも……皆…笑ってたから…
そう、態度で示され続けてきてたから…ずっと…」ぽろぽろ
フィン「…わかっている」
ケイト「でも…それでもっ…(ぽとっ)
生きたい理由が、段々増えてって…生きてていいのかなって…生きて欲しいって…ちゃんと、言ってくれて…
伝えてくれて…望んでくれる人が、いるんだって…理解、できてっ;;(ぐしぐし)←右手で涙を拭う
ほら…私…面と向かって言ってくんなきゃ、わかんないからっ;;(ぼろぼろ)
気付いたら…ここに、居たくなって;;」瞑目&ぎゅうっ
僕の背を左手で握りながら、耐え切れないとでも言うかのように瞑目するケイトに
僕は笑いかけながら、再び宥めるように後頭部へ右手を回して撫で、言い放った。
フィン「ああ…僕も、いて欲しい。
……大丈夫だ…
拒絶する人は、ここにはいない。少なくとも…
僕は…生涯、君と共に居る。共に歩み続けるさ」微笑
ケイト「頷)んぅ…
あり、がとっ」ぎゅううっ
再び縋り付いて泣きじゃくるケイトに、僕は笑いかけながら頭を撫でた。
そして…気付けば、互いを強く抱き締め合いながら…唇を奪い合っていた。
そうして抱き締め合ったまま、寄り添い合い互いの頬へ擦り寄ったまま…
互いの温もりを強く感じ入る中、どれほどの時が経っただろうか……
1時間は軽く超え、大きな花火が僕から見て左側(ケイトから見て右側)の空に上がった。