第40章 果てのない悪意(闇)
・お腹の子の叫び
フィン『ああいうていの低い輩に陥らないようしっかり教育しないとね』
その言葉に対して、お腹の子は遅れながらも反応を返した。
最初は小さく蹴り、怒りを露わにしながらピーンと伸ばすように蹴り続けていた。
むっかぁっ!!
アル『(そんな輩に成り下がるわけないだろ!!)』
ピーン!!!!
ケイト『ちょっと痛い痛い!蹴らないでっ!;足ピーンってしないで!;』
フィン『引っ込めてくれ。いい子だから』なでなで←お腹を撫でる
アル『(わかった)』
すっ
ちゃんと会話ができていたと知るのは、もう少し先の話だった。
ついでに言うと、その時のことを話し合っていた時に打ち明けられたことで、アルがお腹の中での記憶まで持っていたと知った。
ちなみにディも持っていたがまどろんでいたそうで、そんなに深く気にしていなかったようだ。
やはり、性格だろうか…?;
朝御飯を終えた後、皆は精霊王から直々に招待を受けた。←1245ページ参照
それが来るまでの間に、伝統あるそれに対しての想いを打ち明けてくれた。
ケイト「死ね以外何も感じない。
伝統はどうする?躍らないと
知るか!帰る!
って怒ってて…
で、『帰れ!』って叫ばれた瞬間にプッチンって来て、太鼓を叩き落としたらしいよ。
神様とご先祖様と主護霊様が大激怒して。
ご先祖様も大激怒、神様も大激怒。
取り付く島もなければ寄せることさえも無理。
「ダメだこりゃ…かーえろ」ってなったの」
フィン「経緯はわかったよ。
でも…確かに、死んだ後の立場にならないとその怒りは理解できないだろうね」
ケイト「流行らないだ古いだなんだ、自分のことしか考えない奴等しかいないからね。
その時の怒りの言葉が、本当にね…
「冷やかしやったら帰れ!」
「伝統守ろうとしてる男もいるのに嘆かわしい。おお、情けない」
「罵倒するだけ罵倒して帰れって伝統を廃らせたいのか」、だってさ。
私はこんな見世物小屋みたいなていを装う伝統なんていっそなくなりゃいいと思うよ。
家で祈ってた方が『断・然』マシ」
嫌悪感を露わに眉間に皺を寄せながら手を横に振るケイトに、僕は大きく頷いた。
僕が死に、ご先祖様と呼ばれるそれになった場合…風習を穢す彼の行為に怒っただろうとも。