第40章 果てのない悪意(闇)
フィン「なるほど。
祈りを見世物として受け取り、ヤジを飛ばし、罵倒し、結果として見放されて事故が起こったというわけか。
見せ物のように集まり、本質も知らず、弔わず祈らず。
ただ踊りだけを見てヤジを飛ばす。マナーがなってないね」
ケイト「そうでなくちゃ今まで起こらなかった事故が起こるわけないでしょ。
ご先祖様が見守って、愛が伝わってきて…守ってくれたことも実際にあって…
だから…私はご先祖様が大好きだぞ」
フィン「…素敵な考え方だね」
ケイト「へへっ^^//
だってさ…見守ってくれてるの、霊感があるからこそちゃんと感じるし。
ご先祖様がいなかったら、私は生まれてこれなかった。
私は…環境が違ってたら、また違う自分になってた。
そのことを、ちゃんと前世や前々世、始祖神だった頃の記憶も介してわかってる。
だからこそ…盆踊り大会に込められたそれが、痛いほどわかるんだ。
いつも…見守ってくれている、愛してくれている。
そんな神様が、ご先祖様が、私は大好きだ。
だから墓も綺麗にする。真摯に取り組む。大好き大好きで、仕方がない^^//
大っぴらな話でもない。真面目な話だ。
だから…ああいう風にできる神経がさっぱりわからない。
受け入れられない」
フィン「あれは見せ物じゃない。神聖なものだ。
お祭りではないし、囃し立てるものでもない。
失った故人を想っての行為、それが盆踊りだと言っているんだろう?」
ケイト「うん(頷)
何年も何十年も、祈りを込めて、亡くなった者への愛を込めて、二度と会えない、話せない人達の想いを込めて、何年も!何年も!昭和以前から!!江戸時代から!!!
ずっと!ずっと!!ずっと!!!
ずっと…」ぷるぷる&ぽとっ
そこで踊られる河内音頭や、そういったもの達…
それらはどれもが『亡くなった人々の魂の鎮魂歌』であり、「現世に回帰した際の霊魂をもてなす」という意味も含まれているそうだ。
ケイト「亡くなった人達を、ご先祖様を、愛している人を、弔う為の…
居なくなっても胸を焦がす!好きで堪らない!
死んで、いなくなっても、なくならない愛を込めて、受け継がれてきたのに…伝統なのに…!!」
ぽろぽろと涙を零し震えるケイトに
もし逆ならこれほどに嬉しいことはないだろうとばかりに笑みが零れ出、頭を撫でた。