第40章 果てのない悪意(闇)
ケイト「………」
フィン「否定はしない、か…
薄々自覚はあったんだろうね(片目瞑苦笑&溜息)
まあ…神様に愛されている君と、逆に嫌われている彼…
それこそ水と油なんだろう。
その様子だと共に居る時間、同じ空気を吸うことさえにも怒りを感じているようだし…」
ケイト「……合ってるけど合ってない」
フィン「?」
ケイト「…さっさとこの世からいなくなれという私怨もある。個人的な」
フィン「…それ以外の理由は全て…人の為だろう?
一つ目は彼への天罰に巻き込まれて傷を負う人を減らす為。
二つ目は彼の心無い言葉で今後もなお傷付くだろう人の数を減らす為。
三つ目は…彼への恨みが少ない状態で死ぬことで、地獄行きは地獄行きでも軽い方に済ませる為。
結局は…君は、どれだけ行っても人の為、だ。
君から見た彼は、自然と毒を吐いて人を傷付けて何とも思わない人なんだろう。
実際、君に対してはやめたこともないようだし。ワザとでないなら謝る。
だが、現にそれさえもないようだしね。
自分の欲の「死んで欲しい」という欲求。それは本来の君なら駄目だと言って聞かない。
すなわち、どうあっても持つまいとする。
だが君はそれを持っていることを開けっ広げに言っていた。
それを叶えてもいいと思わせるだけの何かが必要になる。
そしてそれは…彼にとっても人にとっても利になることだ。
君は気付かない内に、万人にとっていい方へいい方へと持って行こうとしていたというわけだ。
言われるまで気付いていないようだったけれどね。
無意識にここまでできるのは称賛する外ないよ。
神の怒りの矛先は彼に向いているのに、何故早々死ねないのか…
これは神様が楽に死ねないようにしてる可能性もあるわけだが…こればっかりは神のみぞ知るかな?
……僕の考えは以上だけれど…君の満足する答えには辿り着いたかい?」
ケイト「……深く考えるだけ無駄。止める。前見る」
フィン「うん^^それが正解だ」にこっ
そう頷いてから、そっと頭を撫でた。
どうやら夢の中ではケイトは27歳の夏で、盆踊り大会に参加していた所に起こったもの(事態)だそうだ。
それも異世界の自分で人族以外おらず、「科学」というものが発展した世界なのだとか。
リヴェリアが聞いたら喜びそうだね。特に、未知の情報に対して。