第40章 果てのない悪意(闇)
ケイト「死者の弔い、それに対して捧げられる祈り。
それを踊りという形として残し、先祖代々受け継がれ続いてきた。
その「盆踊り」という伝統行事を、自らの勝手な主観で「穢した」って。
本来盆踊りは競い合いでも嘲りでもない。「純粋な祈り」だって。
それを侮辱し、嘲り笑い、挙句の果てに「帰れ」と叫ぶ行為自体が下賤なんだって。
だから…地獄に落とすんだって」
フィン「…」
ケイト「より正確に伝えると…
『下賤な痴れ者め』、『愚か者が』、『地獄に落とす』って」
フィン「霊感が無くてもわかることだろう。
本質を見失っている時点で愚かだ。
君の祈りも、踊りに込められた弔いも、きちんと伝わっていたからこそ…君に叫ばれた言葉でキレたんだろうが」
ケイト「「言っても無駄」「ああいう輩は殺しても死んでも変わらない」「煩悩の犬は追えども去らず」だってさ。
そもそもが神様の存在自体疑ってかかる輩だから、余計なんだろうね。
死んだら地獄行き確定らしいから別に気にしないけれども…さっさと死ねぐらいは今は思うよ」
フィン「…君も言うようになったね」
ケイト「言うだけはタダだし。
こっちもこっちで、好き勝手に散々言われてるからね。
だから死ねというのは本気で思ってるよ。心から。魂から。
全ての前世の自分が心の底から叫んで祈ってるよ」
フィン「…幸せを祈ってるんじゃ?;」←1322ページ参照
ケイト「祈ってるよ。
地獄に落ちて幸せになれ。同じ空気を吸うな幸せになれ。さっさとくたばって幸せになれ」
フィン「……;
それは…幸せになって欲しいと心から想ってるのかい?;」
ケイト「大丈夫。【神の愛娘】は未だに発動中だから」
フィン「…頑張って殺してるんだね。呪いがかからないように。
その気になればいつでもかけられるだろうに」溜息
ケイト「自然死でないと意味ないからね。
自殺ならまた同じ事が繰り返される。
周囲へ害を振り撒いて、自分が当たるはずの天罰を人が浴びても何も感じない外道だから」
フィン「君にそう言わせるだけの何かがその人にあるんだね?」
ケイト「うん(こっくり)
正確には、相性が著しく悪い。彼と神様との相性も」
フィン「それは絶望的だね;
まあ…確かに僕としてもそういう輩は好みではないけれど…
救われている人もいるんじゃないのかな?」