第40章 果てのない悪意(闇)
ケイト「え?;
「しーらない。しーらない。とばっちり受ける前にかーえろ。かーえろ!」って考えて帰ったのがいけなかった?;」
フィン「違う。もっと根本的な問題だ」
ケイト「それらの二つ目まで受けた時点で「死んで欲しい」と強く思ったせい?」
フィン「神でなくても怒るのが普通だ」
ケイト「私どうしたらよかったの!?;」
フィン「はああっ。
まず君は自分のせいだと考えるのをやめた方がいい。
そもそもだ。
新しいそれも、古いそれも、どちらも間違ってはいない。
どちらも未来に受け継がそうとした。どちらも正しい踊りなんだ。
それに自らの主観を押し付け、踊るわけでもなく、好き勝手に喚き、評価し、挙句の果てに「帰れ」と叫ぶ。
話を聞いている限り…自分はただ見てるだけ、踊りに込められた意図も願いも祈りも知らない『品の低い輩』なのかな?」
ケイト「まあ品が悪いのは確定的かな。
ああいうヤジを飛ばす輩は他にはいなかったし。
でも自分の方がうまいわって笑ってる奴もいたし…」
フィン「優越感に浸る為かい?;
祈りの精神とは程遠いね。君とは合わないし、早々に帰って正解だよ」
ケイト「でも神の怒りに巻き込まれた人が不憫で不憫で…;(嘆息)
その上、未だに神様怒ってるから巻き込まれる前に帰っちゃって」
フィン「それがいいと思うよ。
君が間に入って収まる程度なら、神様は最初から怒りはしない。
そもそもが質の悪い人というか、品の無い人が多過ぎる。
神様が怒るのも時間の問題だっただろう。
死者の弔い、神への祈り、双方のそれさえも見失い、他者を下に見て嘲り笑う。
いや、盆踊りという言葉や伝統の意味さえわからないまま、勝手な主観で口だけ出すだけの馬鹿だ。
盆踊りという伝統そのものをも貶める行為をしておきながら、それを当然のように。
ああいう発言が場にそぐわないことぐらい子供だってわかる。
そもそも自分で踊りもせず、祈りもしないのに何様のつもりだい?
理解に苦しむ」
ケイト「本当にね…;
神様も同じこと言ってた;
というか、同じことに対して怒っていたよ。
そして…こうも言ってた」
フィン「?」