第40章 果てのない悪意(闇)
ケイトが言うには、精霊王の森でゆっくりと休むつもりのようだ。
そして精霊王から僕達皆へ招待をしているらしい。←1245ページ参照
行く前に朝御飯を食べている折、未だ夢の中での出来事が割り切れないようで…小言をぶつぶつと呟いていた。
ケイト「馬鹿は死んでも治らない。
好きなことを言って、挙句の果てに真に持って行わないといけないもんを見失って、へらへら笑って自分が正しいと思い込んでる。
だから神様に怒られるし、それまで一度として起こらなかったそれが起こるんだろうが」ぶつぶつ
フィン「今度はどんな夢を見たんだい?」
ケイト「んー…
早い話、古い型の踊り方を知ってたんだよね」
フィン「うん」もぐもぐ
ケイト「それでそれを踊りやすくした型で踊る人が多かった」
フィン「それで「間違っている」とでも言われたのかい?」
ケイト「うん。
で、挙句の果てに「初心者だ」と言われてさ。
そっちの私は18年間ずっとやってたんだよ?1年だけ試験日と被ってたから参加できなかったけどさ」
フィン「へえ。それは祭りかい?」
ケイト「うん。
伝統伝統言うけどさ。
その人達は踊らないのに好き勝手に言うんだ。
今日まで無事に生かしてくれてありがとう。
そう感謝を込めて神に祈り、ご先祖様に祈る。そういう「盆踊り」って風習があるんだ」
フィン「ああ。
盆の時期に死者を供養する為の行事か。本で読んだことがあるよ。
君らしい捉え方だね」微笑
ケイト「それなのに、何て言ったと思う?
「帰れ」だってさ。
その声が上がったというか叫ばれた次の瞬間、わっしょいわっしょいって持ち上げられてた太鼓が崩れて怪我人が出たんだ。
79歳のお婆ちゃんでさえも、今までこんな光景見たことないって。
叫ばれた次の瞬間にどたぁって、それまで神様が起こらないようしてくれてたのに…ぱあだ。
で、そいつは気にせず笑ってる。私のせいやら神様はいないやら。
で、神様は未だカンカンに怒ってる。1日経っても怒ってる。
私、どうしたらいい?」
フィン「君が怒らないから代わりに怒ったんだろうね。
何の為に今まで感情を制御してきたんだい?」
ケイト「え?;私が悪い?;」
フィン「そんなわけがないだろう」イラッ
怒りの余り睨むと、切れ長の目をさらに細まらせて怯えるかのように目を伏せた。